逢魔ヶ島◆04
菊臣はAiに自身の研究について伝え巻き込む。
菊臣、Ai、水門が聖霊の森を探索していると、不思議な泉を見つける。道案内をしてくれていた竜はこんな場所に泉はなかったと不思議がっている。
菊臣は水にチャクラが混ざっている事に気づき、誰かの企みかもしれないと警戒したが好奇心に負けて泉に飛び込んだ。
驚いた水門達は泉に叫ぶことしかできなかった。
騒ぎに気付いた桜雅、カルラ、ミヤトが駆けつける。
🥀あれ?水門じゃん。
🐳え、姉さん?なんでここに。
🌸知り合い?
🥀弟〜。
🍀弟なんていたの?
🐳そんなことより!友人が泉に飛び込んでしまって!!
🥀助けないの?
🐳チャクラを吸われてしまうんです!
🥀お、偉いな。よく気付いた。
🐳はぁ!?
🌸んー、でも沈んでないみたいだけど…
🐳絶対落ちました!!
Ai落ちましたよ。
🌸…。
桜雅は少し考えた後、泉に飛び込んだ。すぐにカルラとミヤトも後を追う。
◆
🌸ちょっとぉ!?
🏵ん?
🌸それは私の大切な玉なので触らないでください!!
🏵…これを、キミが?
🌸そう!
🏵️…なるほど。画期的だね、すごく興味深いよ。
🐳ぶはっ!!菊臣さん!無事だったんですか!?
🥀お、ついてきた。
🍀あれだけビビってたのにやるじゃん。
🐳みなさんが行くから行くしか無いじゃないですか!
🏵️知り合いか?
🐳この方、僕の姉さんです。
🏵️ということは、加護の?
🥀そうでーす。あんたは?
🏵菊臣、武芸者だ。そちらも武芸者かな?
🌸魔導士だよ。菊臣さんそーゆーの好き?
🏵️うん、私は武芸向きなのでエレメントの扱いが苦手なんだ。しかしアイディアで効率的にエレメントを操作できると思う…この玉はとても良い刺激だよ。
🌸ふむ…これとかどう?
桜雅はチャクラを流して精度を上げた剣をみせ、菊臣は歓喜。2人は意気投合して研究談義に突入した。
カルラ、ミヤト、水門、Aiは呆れて見守りつつ、何時間も終わらないので2人を引きずり帰路についた。
◆◇◆
🏵真ん中の丸いのは私のチャクラを込めた核で、周りにある装飾は各エレメントに変換し、増量して放出する。単に魔導を発動するよりも効率的に魔導を扱える杖を創った。
🐳僕はこれね。戦闘向けに形状変化もする!
Ai:使用実験で聖霊の森の一画をハゲさせてしまったのは内緒ですね。
🌸その後植物を生やしたから問題ないわ。
🌸私の開発した精霊石は最高だぞ。注ぎ込まれたチャクラを最適化し術式展開する事で高度な魔導行使を可能とする!まだ開発途中だが好ましい成果が出ている、ふっふっ。
🏵️移動にも使える様にした、試運転を兼ねて村に戻るとしよう!
◆◇◆
🏵️案外難しいな。
🌸低空飛行で慣れましょう。
🐳歩行よりは格段に速い。ん?あれは…
前方から来る集団は螺雅が率いた村人だった。螺雅達が村に帰ると、以前とは違う部族によって村が襲われていたらしい。地形を考えるとまた襲われてもおかしくないという事で住む場所を変える為に移動してきたらしい。
螺雅とカルラは一言交わす程度で淡白な再会だったが、竜との婚約を聞いて大爆笑だった。桜雅達は泉に細工を設置して、菊臣達と同行する事にした。
敵を見つけやすい、攻められにくい場所に拠点を構えることにした。陸に繋がる場所には門番をつけ、少し離れたところに物見やぐらを作った。森にはミヤトと友達が住み着いて警備、狩りの仕掛けや賊の仕掛けもたんまりとした。
ここを逢魔ヶ島と名付けた。
◆◇◆
菊臣と桜雅は更に研究開発を続けた。
ウルは立派な家でなければ嫌だと言うが、資材と資金が無い。螺雅は家業だった酒を作り始める。
水門は島を整理し区画を定めた。水門の指揮で用水路など土木工事を監督したのは弥五兵衛。弥五兵衛の屋敷でサクラは藤、Sato等と共に身寄りの無い子ども、老人の世話をした。
雅己は魔導と武芸の指導を行った。処世術と護身術、15歳以上の希望者には狩りや殺しの経験もさせた。
菊臣により忍雅衆がつくられる。雅己は忍雅衆の組頭となり、その下に4名つけた。
袁麗◆十六夜…各陣地間の伝令及び斥候
甘戯◆待宵…敵の事前調査を行う。敵を攻略する前に敵陣に潜入、待機して本隊の攻撃を助けるなど。
斬鬼魑 ◆月宮…暗器・魔導・加護の攻撃専門
爽吉◆月影…救援・治療専門
忍雅衆には希望者すれば入れるが、適正を見て割り振られる。
◆◇◆
螺雅とウルは夫婦になったが、全く子どもができなかった。ウルの親へ挨拶に行くと共に、子どもができないことを相談しに竜族の里へ向かった。菊臣、桜雅、Ai、雅己、甘戯、斬鬼魑も付いて行った。道中は険しく苦労が絶えなかった。
ウルの一族は夫婦を祝福し、幸せにするようにと螺雅を脅していた。そして、種族を越えて子孫を作ることができないことを教えてくれた。お互いに繁栄は大切なので側室を持つことにした。
ウルの側室は許嫁であったメルとなり、ウルとメルの世話係も何名か逢魔ヶ島へ連れて行くことになった。螺雅の側室はサクラに決まった。
ウルの従者が舞や楽器などの芸事を教えてくれた。