Theatrum

創作の引き出し。創作途中の話もあるので、突然文章が変わる事があります。

他国でお仕事◆02

ディオーラ城へ訪ねると、ダマラを警戒して水門のみ入城となった。付いてきた他の者は城下町で腹ごしらえしながら待機する。

 
謁見の間に通されると城主と控えの者2名が現れた。部屋には水門を含め4人しかいないのに、自分を取り囲むような気配を感じる。嫌な威圧感だ…。
 
ダマラの標的がディオーラ城に向けられており、以前のダマラ襲来から少しずつ周辺を殺しにかかっている現状らしい。用意した討伐部隊ではダマラが差し向けたノウムを倒す事しか出来ず、誰かの力を借りるしか手立てが無いらしい。
 
スレイプニルに居て、サト・ナルガを手懐けた水門ならあるいはと思ったのだと言う。


「そーいえば、最近一人新しく拾った子がいるんですよ。記憶喪失のミズキ君。」


城主は目を見開いた。そのミズキは息子かと聞かれ、恐らく本人だが、会いたくないと言うので連れてこなかったと答える。ダマラによって殺され、ヒトではなくなった自分を見られたくなかったのだろうと。

 

「いずれ彼から会いに行くだろうから待ってあげてください。」
「あれ?ミズキ君生きてるの?」
「っ!?」
「しかも君のところに居るなんて…。お前らは俺からたくさん取っていくね…許せないな」


気配なく水門の背後に現れたダマラ・ナルガ。

 

間髪入れずにどこからか現れた甘戯が水門を押し飛ばしてダマラに術を放つ。ニヤリと笑うダマラは術を吸い取りつつ甘戯を抱きしめ、自分を中心に球体のバリアを貼った。

 

控えの2人は城主の前に立ち、他の者達で攻撃するが傷一つつけられない。
ダマラは力一杯甘戯を締め付け、あばらを何本か砕くと、無理矢理向き直させ深く口づけをした。ダマラの口からは麻痺薬が流れ甘戯の自由を奪った。


ダ「…大人しくなった?甘戯君はじゃじゃ馬だから、こうでもしないと捕まえられないもんね。」
甘「っ…、糞が…、」
ダ「それ褒め言葉。」


ダマラは甘戯とズボンの間に手を入れる。


甘「ぐぁっっつ!!!」


呪術の模様が右鼠蹊部に現れると、甘戯はひどく苦しみだした。甘戯の髪を掴んで無理やり顔をダマラへ向けさせる。


ダ「首突っ込まなきゃいいのに、君も不憫だね」
 
次の瞬間甘戯を掴んでいたダマラの手が落ちた。ミルスの目から真っ赤な血が流れており、溢れ出たチャクラが狂気に染まっていた。


ダ「おやおや、これは大変だ。お殿様、後はまかせたよっ♪」

 

そう言うと落ちた自分の手を拾い、ダマラはバリアを解いて空に消えた。
 
甘戯は自我を失い味方関係なく襲いかかった。武士や水門がミルスの攻撃を弾いてカウンターを狙うが、かわした甘戯は真っ直ぐに城主へ向かった。反応が遅れた控えの2人は城主の元へ間に合わない。
 
ガキィッ


雅巧「ダメだよぉ甘戯、なにがあったのぉ」
菊「すんなり入れたんだけど、城の防衛見直した方がいいよ」


甘戯の攻撃を止めたのは雅巧。ダマラのチャクラを感じて雅巧と菊臣が城へ乗り込んできた。

 

水門「くっそ、攻撃を弾くのがやっとですよ!雅巧さん正気に戻せますか!?」

 

菊臣が光玉を出して隙を作り、雅巧が甘戯の顔面にしょうていを食らわし気絶させた。