Theatrum

創作の引き出し。創作途中の話もあるので、突然文章が変わる事があります。

お家(2014.4)

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「ミュー、一通り掃除終わったよ~」
「おわった?一休みする?」
「ん。」

ミズキが使い魔堂に来てから2日。
1日目はミューリウムとミリエの関係を聞き、ミューリウムと自分の関係を聞いて、頭がパンクした所で寝落ちした。
次の日目覚めると見覚えの無い部屋に居た。使い魔堂ではなく王都にある店、捕獲猫の一室で寝ていたのだ。
なんでも、ミューリウムは空間移動の魔法陣で使い魔堂と捕獲猫を自由に簡単に移動できるらしい。息を切らしながら山を登った俺の努力…

捕獲猫は魔法道具ショップだが、2階に誰も使っていない部屋がいくつかある。どうしても泊まりたいという人をたまに泊めているらしい。
俺はそのうちの1部屋を貸して貰う事にした。魔力はあっても操れないので、ミューリウムの近くで魔法を学ぼうと思う。俺の魔力は俺だけのものでもないと分かったし…。

「落ち着いたらお前の荷物を取りに行こう。」
「空間移動?」
「うん。」
「それって俺も出来るようになる?」
「んん?出来るんじゃない?魔力は一緒だから。」
「同じ魔力が関係あるの?」

「魔力にも色があるんだよ。同じ色の魔力は無いね。家族なら近い色だけどね。」

「ふ~ん?魔方陣書くだけ?」
「そーそー。魔法陣描いちゃえば誰でも発動出来るんだけど、私のは特製魔方陣。条件付けないと誰でも家に入れちゃうじゃん?」
「ふーん。そーゆー事も出来んだ。」
「オリジナルだよ。最近の魔女は古書に載ってる魔法ばっか使って開発しないんだよね。」
「え、魔法って作るものなの?」
「魔女は大きく分けて科学者と変人に別れるんだが、私は後者w好きな事しか研究してないから知識は偏ってる。」
「そーなんだー。言い伝えられた魔法を使ってるんだと思ってた。」
「ま、それもやるよ。それを元に新しく考えたりもするし。フリーダム」
「楽しそう」
「ホントか?ミズキは変人じゃないな。」
「そう?言葉の響きは嫌だけど、なんとなく残念...。」
「残念かwなんか…細かそう。」
「えー、そんなことないよー!」
「だって、さっきまで散らかってたテーブルの上が整頓されてるもん」
「だって…バラバラなの落ちつかないから…え、これって細かいって事なの?」
「几帳面なんだろ!あとミズキは魔法より格闘やった方がいいと思うな。魔力プラス格闘は強いんだぞ。」
「格闘~?母さんに教わった護身術しかやったことないよ。」
「あぁ、それ私が教えるように言ったんだ。メニューも私が考えた。ミズキは格闘だなぁーと思って。」
「嘘、小さい頃から分かるもんなの?笑」
「いや、私が格闘苦手だから。」
「んだそりゃーーー!!」
「あん?」
「あ。そういえばさ。俺たち家族の事、ずっと見守っててくれてありがとう。」
「お?...え、ハイ。」
「昨日話聞いて言おう言おうと思ってたんだよね。忘れてた」
「うぅ…うちの子いい子でしょお…」
「うわっ!!」
「いつ出てくるのかと思ったら…」
「母さん居たの!?」
「今朝ミズキが寝てる時に連れてきてもらったのよぉ」
「なんで黙ってたの!?」
「「びっくりさせるため~」」
「もー」
「ミズキ、ここまでよく頑張ったわね。これからは貴方のやりたい事をやっていきなさいね。母さんは貴方をいつも応援してるわ!」
「ぅ…うん、ありがと」
「お前はホントに素直だな。」
「良い子に育ったでしょ~」
「やめてくれ」