Theatrum

創作の引き出し。創作途中の話もあるので、突然文章が変わる事があります。

逢魔ヶ島◆02

数日後…

 

草や枝で作られた子ども達の住処と食べ物の畑が増えた。木が無いことを気にして木の実や若木も植えたらしい。

 

あと、子どもの数が増え、大人も増えていた。大きい子どもの女の方はサクラ、男の方は雅己という名らしい。

子ども達は菊臣に水や食べ物を届けて、畑仕事をするのを日課にしていた。

 


菊臣が採集で数日家を空けると、家や畑が壊されていた。住人の数も減り、怪我人と死体もいた。以前自分の村を襲ってきた部族が来てまた襲われたと子どもが説明してきた。


菊臣は自宅を壊され研究材料も壊れていた事に静かに怒っていた。部族の住処を聞き出して歩き出した。

生き残った者達にとめられたが聞く耳を持たなかった。何名かついてきていたことも気に留めなかった。

 

その部族は身体能力が高かった。すぐに菊臣へ襲いかかってきたが、近づく前に魔導で燃やした。


🏵全滅させる気はない。

🏵2度と私の研究を邪魔するな。


菊臣はその場を去った。



帰宅してお茶を飲み一休みしていると、青年が話しかけてきた。


なぁなぁあんたのアレってチャクラだろ?どーやんの?俺もやりたい!

🏵なんであの部族の者がここにいる。

✡️だーかーらー!俺も火出したりしたい!

🏵️勝手にやればいいだろう。

✡️やり方が分からねぇもん。

🏵️チャクラは全ての生き物に流れている。お前にもな。

✡️でも火が出たことねぇよ?

🏵️センスがないんだろう。諦めろ。


その後も頼み込んだが菊臣に相手にされず外へ出る青年。墓の穴を掘っている子どもを見つけ、それを手伝う。


雅己:おまえらがしたことなのに墓を掘るなんておかしな事だな。

俺は部族の一員じゃない。この村を襲ってはいないし、部族には"加護"の為に近づいただけだ。

雅己:仲間には違いないだろう!

仲間じゃない。あんな非道なやつら。

サクラ:ねぇ、加護ってなに?

他者の能力を身に宿すことだ。こうやって…


青年の腕に模様が浮かぶ。地面をひと突きしただけで大きな穴が空いた。


サクラ:うわ…なにその力…こわぁ

コントロール出来れば問題ない

雅己:コントロール出来んのかよ

出来るよ

🏵️その"加護"とやらはどうやって手に入れるんだい?

ぅわ…


青年は加護について、菊臣はチャクラについてお互いに情報を与えた。


加護は天来外来種の血を飲み、身体の拒否反応に耐え抜く。耐えた後は力が暴走して自滅しないようにコントロールする。


チャクラはコントロールから始まる。

チャクラを自在に動かせるようになれば武芸に活かすかエレメントを操る事が出来る。


サクラ:加護はちょっと…私には難しいかな、武芸は私にも出来そう…

雅己:俺もやりたい。


子ども達も興味を持つが、天来外来種自体が危険な存在、加護取得は難しいということでチャクラコントロールから始まった。

青年は螺雅、弟は水門と名乗り、サクラ・雅己と切磋琢磨して腕を磨いていった。