Theatrum

創作の引き出し。創作途中の話もあるので、突然文章が変わる事があります。

コスプレの話題で盛り上がっていたので聞いてみた。

{ロンはどんなコスプレしたいんだ?
{私服で。
{それコスプレっていわないだろ。
{そうスね。
{…。
{…。
{その本面白い?
{うん。
{どんなのー。どんなの読んでるのー。ねー教えてロンくーん。ローンくーん。
{うっざい!!教えるから離れろ!
{…いけず。
{何言ってんだこの人。
{で?内容。
{はいはい…。えぇとこの本はぁ、貴族の男とメイドの女が恋に落ちてなんやかんやあったあとに結ばれるって話の
{物凄い勢いではしょっただろ。
{…。気になるなら自分で読めばいいじゃん。
{そこはロンが読んで聞かせろよ。
{アンタはお子様ですか。
{違います。ソーダの国の王子様です。



{無視するなよぉ~
{あーもー鬱陶しい…
{嬉しいくせにな
{嬉しい訳が無ぇ。
{じゃあ俺が読んでやる。どこまで読んだ?
{遠慮する。
{なんで
{集中できないから。
{俺の美声でお前の想像力を助けてやる。
{日頃から感情が見えない棒読みの人に言われても説得力ない。
{だから感情を乗せた時のギャップがいいんじゃねーか。
{…なるほど?
{ほら、俺に読ませてみろ。
{…ん。
{どこ?
{ここ、
{ぇ~と、『ハッハッハッ』『いらっしゃいジョーゼット。こっちよ』『わん』『ふふ、あっ、きゃあああ
{ちょっと。
{なんだよ。今いいところなのに
{なんでセリフの所しか読まないんだよ。
{全部読んだらロンの想像する余地が無くなると思って。
{情報が足りなすぎて情景すら浮かばないよっ!犬と女の子が遊んでて女の子が危ない感じになったのかなってことしか分からなかった!
{あぁ、惜しいな。ここは主人公の男友人が屋敷に忍び込んだ所をオカマっぽい使用人に見つかって番犬をけしかけられた場面だ。
{分かるかっっ!!!
{オカマっぽい使用人のことを女の子って言うところが、お前の優しさだよな。
{あのセリフじゃ皆普通に女の子だと思うだろ。
{謙遜してやがる。イケメンかよこいつ。
{もう…いいから本返してよ。
{やだっ!これ俺が読むんだもん!!
{もん!!が気色悪い。
{なんだよっ!俺が読んだら返してやるよ!
{あ、ちょっと!


バタンッ


{……なんて勝手な人だ。


ガチャ


{あ。
{落書きして返してやるんだからな。
{はぁ!?


バタンッ!!


{もー!!追いかければいいのか!!?返せアホの国の人ーーー!!!!


ガチャッ!バンッ!



{一人部屋が欲しい…。