Theatrum

創作の引き出し。創作途中の話もあるので、突然文章が変わる事があります。

劇場◆第二章◆01

キウレ:離してっ!やめてよ!!

元帥、この娘が式典の邪魔を。

天帝の御前だぞ。

も、申しわk

キウレ:食べ物食べてただけじゃない!みんなのものじゃないの!?

我々の分は天帝が召し上がってからなのだ!…この様に、ズレた考えを持っている様で。石版産まれのものとは思えず…!

ダマラ:そいつの腕、よく見てみろ。

腕?

ダマラ:恐らく腕から背中にかけて模様がある。

はっ!

キウレ:な、やめてよ!!えっち!

黙れっ!大人しくしろ!

おぉ、あれは…凶事の象徴か!?

なんと!?

恐ろしい…

キウレ:な、なに?

ダマラ:娘。産まれはどこだ?

キウレ:知らないよ。気付いたら洞窟にいたもん。

どこの洞窟だ。何か特徴は無かったか!?

キウレ:わっかんないよぉ〜…あ、キラキラしてた。

ダマラ:キラキラ?

キウレ:空一杯に赤青白のキラキラがあったかな。

ダマラ:…。

一体どこだというのだ。

ダマラ:元帥。

はっ!

ダマラ:恐らく3日前に地揺れがあった辺りだ。洞窟らしき物を探し、何かが産まれた形跡がないか探せ。

な、何かが!?

ダマラ:恐らくコイツァは…(火の鳥だろう。)

 

 

ダマラ:と、いうことだから。お前はこれを監視しろ。

キウレ:誰?

ディオサ:かしこまりました…。

ダマラ:なんだ?

ディオサ:いえ、また面倒ごとは私に押し付けなさるのだなと思いましてね。

キウレ:誰?

ダマラ:お前だから頼むのであろう?

ディオサ:はいはい、信頼頂きありがとうございます。

キウレ:愛人?

ダマラ:心がこもってないぞ。

ディオサ:そんなことありませんよ?

ダマラ:ディオサ。

ディオサ:はい?

ダマラ:こいつはお前以外に任せられん。(未知数過ぎて)頼んだぞ?

キウレ:天才過ぎて?

ディオサ:…しかと!

キウレ:シカト?

 

 

キウレ:ねぇ、名前なんて言うの?

ディオサ:ディオサだ。お前は?

キウレ:キウレ・ミラだよ。ねぇ、厄災ってなんなの?

ディオサ:…。お前、本当に土から生まれたのか?

キウレ:分かんないよ。気づいたら洞窟にいたんだもん。

ディオサ:親は?

キウレ:親って?

ディオサ:お前を育てた両親だよ。

キウレ:も〜。だから気づいたら洞窟だったの!一人でいたんだってば。

ディオサ:…嘘ではないか?

キウレ:嘘ついてどんな得があるのさぁ

ディオサ:言葉はどこでならった?

キウレ:えー?普通に話せたけど?

ディオサ:ディオネについては何を知っているんだ?

キウレ:ディオネって?ディオサの家族?

ディオサ:違う。ここ、石板都市の事だ。

キウレ:ここ石板なの?

ディオサ:はぁ…分かった、もう面倒だ。一から説明してやる。ここは石板都市といって、空に浮かぶ大都市だ。天帝ダマラ・ナルガ様が治めており、人口1000人程度。

 

石版都市において殺生は禁止。私の所属する近衛隊が取り締まっている。

マナという力を使う者がおり、天帝と近衛隊はその力を使いこなし魔導士と呼ばれている。

石板都市が空に浮いていると言ったが、マナの力で空に浮いている。(近衛隊に属していない魔導士は、自由気ままだったり、協調性がない者で、変わり者扱いされる)

 

石版を管理しているのはアンノリンというAIで、"悪"が何かを理解している。悪の先に何が待っているかも計算できるので、外部干渉が無ければ間違いは絶対に起こさない。

 

石版都市には3つの一族が共存している。

魔蔵(魔導を使う。ナルガなど)、天蔵(精霊魔導を使う。闘神など)、地蔵(魔導が使えない。治癒に長けている)

その中でもナルガ一族には、稀にマナの吸収・貯蓄が出来る者がいる。他人のマナを吸収して殺したり、逆にマナを注ぎまくって破裂させたり出来る。天帝により禁止されているので、やるものはいない。

 

 

〜天災〜

ダマラ:ぐっ…ぐ、ぅう…

 

天帝!また死人が出ました!

ダマラ:なんだ。またか?

今月に入って10を超えました!!

あの少女が来てからというもの!おかしなことばかり起きています!天帝、どうか!どうかご判断を!!

ダマラ:アレはディオサに任せてある。

しかし!

ダマラ:そんなにいうなら証拠を出せ。アレが諸悪の根源だという証拠を私に見せてみよ。たとえ違ったとしても、民を安心させてやらねばならん。

はっ!!

 

 

ダマラ:ディオサ。例の洞窟は?

ディオサ:はい。おっしゃられていた通り、割れた球体がありました。あの少女が入れるほどの大きさでした。

ダマラ:ふむ…。確実だな。

ディオサ:何かご存知なのでしょうか?

ダマラ:魔蔵、天蔵、地蔵…。三蔵の力をとても強く受け継いで生まれる子どもが稀にいる。そういう子どもは力をコントロール出来ず、周りに迷惑をかけて歴代の天帝や近衛隊に殺されてきた。お前達が厄災と言っていた伝承だ。

ディオサ:キウレが?…数日共に過ごしましたが、危険なように感じられません。

ダマラ:それはお前だからかもな。お前は近衛の中でも優れた魔導士。アレの力に恐れを感じる事もないのであろう。

ディオサ:はぁ。

ダマラ:だいたい、アレらは厄災ではなく、力のコントロールを上手く教えられていないからと考えた者もおったようで、指導者を育てる為にも近衛隊を作ったという。

 

そして三蔵の子にはそれぞれ、魔蔵は耳から首に第3の目・天蔵は腰から足に尻尾・地蔵は腕から背中に翼の模様が浮かんでいる。アレは翼を背負っていたから地蔵…つまり土から生まれる。

 

 

ダマラ:おい。

キ:あ!偉そうな人だ!

ダマラ:…。1人で何をしている。ディオサはどうした?

キ:仲間の人に連れられてどっか急いで行ったよ。なんかまた人が殺されたって。殺すのはダメなことなんじゃないの?

ダマラ:そうだ。殺生はゆるされん。しかし、何故こうも続くのか…。原因があるはずだ。

キ:げんいん?

ダマラ:お前はアンノリンを知っているか?

キ:アンノリン?なんだっけ?聞いたことあるけど。

ダマラ:ディオネを動かしている機械だ。

キ:そうだそれ!

ダマラ:あれが原因かもしれないという話があった。

キ:なんか、ソレ確か頭いいんじゃなかったっけ?

ダマラ:だからおかしいのだ。お前、行って確かめてきてくれるか?

キ:えー!僕わからないよぉ!?

ダマラ:これをアンノリンに放り込むだけだ。

キ:それならできるかも。これなに?

ダマラ:薬だ。

キ:薬?

ダマラ:風邪をひいているようなものだからな。それを治す。それと、アンノリンは会話ができる。奴は今壊れているから、何を言ってきても耳を貸すな。

キ:分かった。なんか可哀想だな…。

ダマラ:だからその薬で治すんだろ?

キ:…うん!そうだね!やってみるよ!

ダマラ:このことは誰にも言ってはならんよ。

キ:え!?なんで?

ダマラ:アンノリンはディオネの宝で頭脳だ。アンノリンが壊れたなんてみんなが知ったら大混乱だからな。今よりもみんなが困るだろう。

キ:…分かった!内緒にするね。

ダマラ:あぁ。よろしくな。

 

キウレはダマラと別れてすぐにアンノリンがある部屋に入った。以前ディオサと訪れた時には、入り口に監視の者がいたが、この時には誰1人いなかった。

キウレは特に疑問を持たず、アンノリンに近づいた。

 

ア:あなたは私にとって危険な物を持っています。

キ:危険じゃないよ。お薬だって言ってた。

ア:誰から受け取りましたか?

キ:あ、誰も言ってないよ。僕が薬になるなぁって思ったの。

ア:誰から受け取りましたか?

キ:ち、違うってば!ほら、具合悪いの直してあげるよ。

ア:危険なことはやめてください。

 

何を言われても意に返さず、キウレはアンノリンに"薬"を放った。

 

 

数日後

殺人が減った代わりに病が流行るようになってしまった。身体の痛みを訴え始め、数日後には身体の穴という穴から血が溢れて死んでいく。原因不明で対処が追いついていかない。

 

ディオサ:天帝!分かりました!!

ダマラ:原因か?

ディオサ:マナの大量吸収が原因です。通常量より多くマナを吸収した者が、体内で処理しきれずに破裂するように血を吹き出していたようです。

ダマラ:マナの大量吸収だと?

ディオサ:マナのコントロールができない者はほとんど死にましたが、ナルガ一族が吸収してなんとか持ち堪えている者もまだおります。

ダマラ:なるほど…。

ディオサ:マナが大量に滞留している原因もわかりました。

ダマラ:なんだ。

ディオサ:アンノリンが暴走し、マナを大量に吐き出していました。アンノリンの管理者全員が殺されており、数日の間管理されないままでした。その間マナを大量放出していたとのことです。

ダマラ:…そうか。アンノリンの管理が出来るものは?

ディオサ:いません…。

ダマラ:いないだと?1人もか!?

ディオサ:アンノリン関係者はことごとく殺されていました。

天帝!アンノリンを壊したのは凶事の娘です!

ディオサ:なんだと!?

ダマラ:どういうことだ?

アンノリンが混乱しながらもメッセージを出しました。"キウレ"と。

ディオサ:そんな馬鹿な!!キウレがアンノリンを壊してなんになる!?

しかしアンノリンは間違いなくキウレと言いました!

ダマラ:…。

ディオサ:天帝、何かの間違いです。確認してきます!

ダマラ:待て。事実がわかるまで、キウレを深層牢屋に入れておけ。

ディオサ:天帝!!

ダマラ:もしやつが原因であれば、逃がすわけにはいかない。違えば出してやれば良い。さっさと見つけ出して牢屋に入れろ。

は!

ディオサ:天帝!

ダマラ:黙れ。さっさと事実確認をしてこい。

 

 

ダマラ:アンノリンの様子はどうだ?

ディオサ:復旧の見込みはありません。複雑に絡み合った糸みたいです。

ダマラ:…。生き残った者達を地上に下ろす。

ディオサ:え!?

ダマラ:マナコントロール出来る者しか生き残れまい。そして、地上には脅威がある。マナが扱えない者だけではそれもまた生き残れまい。だから全員地上だ。

ディオサ:ディオネはどうなりますか?

ダマラ:俺が残る。アンノリンを直した後、お前達をまた迎えよう。

ディオサ:天帝。

ダマラ:今すぐ指示を出してこい。アンノリンは俺がみる。

ディオサ:他に方法はないのでしょうか…。

ダマラ:…無いだろうな。

ディオサ:…分かりました。

 

 

 

 

 

 

 

その間、石版都市にて生き残っている奴らをダマラがまた何人か殺す。

少女がキレてダマラを窮地に追いやる。

腕から背中にかけて有った模様は炎の翼となって、空を飛んだ。

周りにいた者達も殺してしまう。

ダマラ間一髪、石版都市から落ちて地上へ降りた。

天帝、少女を気絶させて能力制御装置を付ける。

石版都市に残ったのは天帝・アンノリン・少女。

アンノリンが全てを天帝に話す。

理由はどうあれ、やってしまったことに変わりはないので、罰として少女は石版都市から出る事を許されない。

1000年後、復活したダマラによって天帝が殺され、少女は翼をもがれ、石版都市から突き落とされる。

少女を助ける為に天帝が隙を見せてしまい、ダマラに殺される。離れぎわに天帝はダマラの心臓に杭を刺した。またも瀕死だったがなんとか死なずに済む。マナコントロールの元である心臓に杭がある為、不安定になる。マナが常に垂れ流れる様になった為、常に吸収してなくてはいけなくなる。

少女の身体は無事だが、ダマラの攻撃の衝撃で記憶が消えてしまう。

ダマラ、アンノリンに悪い思考を植え付け、遺伝子操作の実験を行わせる。

過去、少女を騙して細工をされた事を踏まえて、アンノリンはダマラに気付かれない様な救難信号を出せるようにしていた。また、難解な回路を組んで作業がスイスイ進まない様にした。

そうとは知らないダマラは満足して地上に降りる。

アンノリンは少女に助けてもらう事を待ち続ける。

少女は記憶を無くして地上を彷徨う。