Theatrum

創作の引き出し。創作途中の話もあるので、突然文章が変わる事があります。

劇場◆序章◆06

⚜️なんかいい匂いしないか?
♣️そうか?
⚜️あの女だ。カウンターの。
👁‍🗨おや。あれは…
♣️知ってるのか?
👁‍🗨確実ではないけど、もしかしたら…ふふ
♣️歯切れが悪いな。言え。
👁‍🗨まぁ待ってよ。
⚜️俺ちょっと行ってくる。
♣️おいっ!ったく、
👁‍🗨思い立ったらすぐに動く。まさに王だね〜
♣️フォローする身にもなってくれ…
👁‍🗨でも楽しいんでしょ?
♣️…。

 

 

⚛️はいこれ、頼まれてたやつね。あと野菜ある?
🍷新鮮なトマトを仕入れたよ。あとはお前用にいくつかまとめといた。
⚛️助かる。いつもありがとう。
🍷お互い様だろ。ちょっと待っててくれ。

 

ドン


カウンター越しにマスターと話していた桜雅を、謎の男性が背中から抱きしめてきた。

 

⚛️!?
⚜️やっぱり…スー…
⚛️ッ!?おいっ離せ!
⚜️暴れるなって。なぁ、あんた香水つけてる?
⚛️は?変質者に答えてやる義理はないんだけど?
🍷おまっ!お、王子だぞ!?
⚛️え?…そうなの?
⚜️ニコ
🍷お前顔知らないのかよ!
⚛️知る訳ないっ!なんでこんな所にいるのよ。
🍷お忍びだろ。たまにうちに寄ってくださるんだ。無礼な態度は謹んでくれっ!
⚛️今の状況分かってる?約束できないわね。
🍷くそっ、すぐ荷物持ってくるから早めに帰ってくれ!あと敬語使え敬語っ!
⚜️急ぎなのかい?
⚛️そうね。荷物をもらったらさっさと帰ります。あなたも道中お気をつけて。
⚜️つれないなぁ〜。それより香水つけてる?
⚛️つけてませんよ。
⚜️ふ〜ん。君からいい匂いがするんだ。今まで嗅いだことのない匂いだから気になってさ。
⚛️そうやって街の娘を落としますの?流石王子様ね。クラクラしちゃう。
⚜️…あんた。あんまり調子に乗ってるといくら温厚な俺でも落ち着いてられないなぁ〜
⚛️どうぞお好きに。

 

チリッ

 

⚛️!?

 

チリチリ…

 

耳障りな音がして、桜雅の魔力が減っているのを感じる。

 

⚛️王子様何かしまして?
⚜️何かって?
⚛️魔力を操るなど!
⚜️いや、してないよ。
⚛️じゃあ誰が…ビク

 

黒い視線を感じた。そして確信した。自分の魔力を吸っているのは、あいつだ


🍷待たせたな魔女。これ、少し多めに入れといたからな。またご贔屓にっ!

⚜️魔女…?
⚛️ねぇマスターこの街に魔導士来てる?
🍷魔導士?王子様が居れば側に必ず魔導士がいるはずだが…他は聞いてねぇな。
⚛️…そう。王子様?お連れの魔導士のお名前を伺っても?
⚜️なんだ慌てて。俺よりもあいつに興味が出たのか?
⚛️えぇ。やんごとなき理由でして、宜しければ伺っても?
⚜️ふ、教えない。
⚛️そう。マスター。荷物は後で貰うわ。用意させてしまってごめんなさい。
🍷いや、え?なにが

 

そうしている間にまだ少しずつ魔力は吸われている。

 

⚛️あいつ…ヤバい
⚜️ヤバイよぉ?


王子が桜雅の身体に腕を絡め、体を寄せる。


⚜️なんたって…魔女を殺したい一族だからな。
⚛️離して。殴るわよ。
⚜️敬語が無くなってるよ?
⚛️ちっ

 

王子へ肘打ち、掌底を食らわすが止められる。身体に力が入っていない。


⚛️魔力がっ!
⚜️なぁ…魔女ってなんだ?魔女は全員そんな匂いがするのか?

⚛️魔導士の女だからからかって魔女って呼ばれてるのよ!
♣️そーゆー事なら、今までにも何人か魔導士の女に会ってるだろう?
⚜️ふむ、だがこの匂いは初めてだ…
♣️どうするんだ?
⚜️匂いの元をつきとめてみたい、かな。
👁‍🗨捕まえるなら僕にやらせて?


マジョルカの言葉を合図に桜雅は店の壁に穴を開け、外に突き飛ばされる。姿勢を立て直して詠唱するが魔力が安定せず、発動に時間がかかっている。マジョルカの攻撃を避けるのがやっと。いつもの調子を取り戻せずイライラする桜雅。


⚜️ほー。避けてるじゃないか。
♣️時間の問題だろう。
👁‍🗨君ってただの魔導士なの?王子が気になる匂いがする魔導士って初めて。君には何かがあるの?
⚛️…知らないっ!死ね!
👁‍🗨つまんなぁーい。今なら君を殺せるのにぃ。多分王子に怒られちゃうから…寝ててね。
⚛️!?

 

腹部に強烈な一撃を受け、気を失った。

 

 

高級そうなローテーブルに並べられた食事を床に座って食べている皇帝。ふわふわした感覚から腹部の痛みへと意識が変わる…桜雅は床で横になっていた。

 

⚜️ん、起きたか。
⚛️!?


起きると同時に身体中を触る桜雅。首、手首足首、胴体…なにも変化はない…


⚛️…ここは。
⚜️俺の部屋だ。お前も食う?
⚛️遠慮します。
⚜️美味いのに。おい、

 

パチンと指を鳴らしながらメイドに声を掛ける。食事がさげられていく。コップを一つ持ち、桜雅の近くへ寄る。

 

⚜️な、奴隷の経験でもあんの?
⚛️…何故?
⚜️起きてすぐに身体中をみてたから。鎖や魔術が施されてないか確認したんだろ?
⚛️…突然抱きついてくるような変態に連れていかれたんですもの。何かされたか疑いもします。
⚜️ちなみに、1時間前にうちの医師がお前の身体を調べた。
⚛️…は?

⚜️お前の魔力に香りがある理由を調べたが、香りを感じる者が限られている事しか分からなかった。そして今は何も香りが無い。

⚛️香りって言われても…自分では感じないし。

⚜️背中の刺青は?
⚛️…答えたくないです。
⚜️何で?
⚛️答えたくないって言ってんのに聞くんですか!?
⚜️だって気になるだろう。
⚛️じゃあオシャレです。
⚜️じゃあってなんだよ。
⚛️私はいつ解放されるんですか!?
⚜️質問で返してくるなよ。お前は今ノウムと同じ扱いだ。だから厳重保管。
⚛️はぁ!?
⚜️素直に素性を話せば解放してやるかもしれないけど?
⚛️素性って!?
⚜️生い立ち・魔力について・住処・知り合い、だな。それを言えたら解放を考えても良い。
⚛️言っても帰してくれるか分からないじゃないか。
⚜️そうか?
⚛️ちっ…もう良い。自力で抜け出してやりますよっ。

 

指を摩擦して鳴らした瞬間、王子を木が襲う。しかし、何者かに切り刻まれて男へ届くことはなかった。間髪開けずに桜雅へ向けられる刃を避け、落ちている水瓶の水で攻撃を繰り返すが当たらない。


⚛️速いっ!


隙を突かれ、青い髪の少年に、床へ組み敷かれた。


⚜️お前…扱えるエレメントは2種か?
⚛️…。
⚜️獅子王、小夜
🦁ん?
🍁なに?
⚜️お前たちは今日からこいつの監視だ。部屋を与へ、魔導と体術の戦闘訓練をしろ。特別な事があれば俺に報告。以上だ。
🦁はいよ。
🍁…それは今決めた事?
⚜️そうだ。ニヤビには伝えておく。
🍁いいのかな…。
🦁主は今不在だからな。

🍁そうだね。
⚛️離せ!
⚜️お前は俺に指一本触れられない。これは事実だ。それを受け止め、恥じろ。
⚛️ふざけんなっ!!
⚜️さがれ。

⚛️ぐッ!!


突然身体が熱くなるのを感じる。先程から頭がふわふわしていたのは殴られたせいではなさそうだ。抑えていた小夜は強い殺気を感じて後ろへ飛びのいた。


🦁なんだ!?

💉王子さがって。

⚜️ルブラン。

💉さっきの診察で魔力を大量に注いでみたんだけど、身体がダルそうなだけじゃなかったねぇ。

⚜️勝手な事してんじゃねーよ。

💉 王子、匂いする?

⚜️…しねぇな。

💉ふむ…。この様子は魔力の暴走だから、漏れ出してるはずなんだけどなぁ。

♣️王子!

 

大きな音を立てて扉が開いた。

 

⚜️なんだ?

♣️ナルガが大きな魔力を察知したと。

⚜️あぁ、こいつだ。ルブランの実験に使われてる。

♣️例の魔導士ですね。危険では?

⚜️今の所大丈夫だ。

⚛️なんでこんなにぃ…。痛いし怖いし勝手だし知らない事ばかりだし…。嫌だ…。

 

ドッ

 

地響きと共に部屋が火の海になった。

 

🦁うわぁっ!!?

🍁あの人は…?

🦁お?

♣️王子こちらにっ!

💉うわぁ、退路塞がれてるよぉ。

♣️くそっ!!

 

マジョルカが黒い煙と共にスッと現れた。

 

👁‍🗨大丈夫?

⚜️マジョルカ…ん?

 

マジョルカがスフィアボールを放り投げ、割れたボールから大量の水が溢れ出し、炎を鎮火させた。

 

♣️貴様っ!来るのが遅い!!

👁‍🗨ごめーん。

⚜️…。

♣️王子さん?どこか怪我は!?

⚜️いや無い。さっき、お前が来た時に例の香りがした。

👁‍🗨おれ?
💉多分さぁ、マジョルカがあの魔導士の魔力を吸収してる時に出てるんじゃないかと思うよ。

👁‍🗨吸収してないよぉ〜。
⚜️マジョルカ
👁‍🗨吸収してましたぁ〜。
⚜️お前さては、俺と一緒の時、魔導士に会う度吸収してやがったな?

👁‍🗨してましたぁ〜。
⚜️ちっ。道理で弱い訳だ。
👁‍🗨それより、その魔導士ちゃんだけど。

♣️あぁ。

💉逃げられちゃったなぁ〜。もっと実験したいんだけど。

⚜️ふざけるな。勝手な事しやがって。お前が原因で俺の部屋が燃え、危険者を取り逃がした。どう責任取るつもりだ。

💉探しに行きたいな。

♣️捕まえるまで城にも研究所にも入れんからな。

💉いいの?

♣️首輪は付いてるだろ。怪しい情報を得たらすぐに起爆するからな。

👁‍🗨獅子の子と青の子が尾けてるけど?

⚜️やつらは俺の部下じゃ無い。魔力を大量に注がれてたとはいえ、この火力。エレメントをいくつも使いこなすとあれば、見過ごせない。捜索隊を組み、懸賞金をかけろ。