甘能美にあふれた世界

創作の引き出し。創作途中の話もあるので、突然文章が変わる事があります。

テアトルム05

遊間は湖に囲まれた土地に在り、

東西に分かれた道と繋がっている。

東へ行くと悪魔の巣食う迷いの森がある。

西へ行くとイバラの生い茂る地獄道がある。

容易ではないが通れなくもない。

命を1つや2つ落とすだけだ。

 


大変な思いをせずとも遊間を通れば簡単に北へ進める。通行証があればただ通り過ぎることが出来る。しかし遊間には珍しい特産品や湯屋がある。通り過ぎるだけでは後悔する。

 


先生。

ん?新入生のミラ。なんだ?

🧐説明口調だ。

私はサシュレさんが待つ場所に異空間移動してたどり着いたらしいのですが、それはどういうことなんですか?

あぁ。お前は異空間の入り口を見つけられたんだな。

🙄異空間の入り口?

通常のルートは先程説明した通りで、他の道といえば空を行くか湖を通るかだ。しかし、魔導師は別の方法を取ることもできる。それが異空間移動だ。

🧐ミラさんに出来たという事は僕達にも出来るという事ですか?

出来る。異空間移動は体力とマナが多く必要だ。よって、移動中に体力かマナどちらかが切れれば異空間に取り残されてしまう。

えぇーー!?

帰れるんですか?

帰れない。異空間は無数に存在する不安定なものだ。それを保持し続けるためにマナが必要で、安定させるために体力が必要なんだ。

🙄ミラさんよく無事でしたね。

🥴それだけマナも体力もあるんだねぇ。

実は、最初は身長より大きな洞窟だったのに、先に進むにつれて通路が狭くなっていったんです。最後はハイハイで進みました…。

それは体力かマナどちらかが減っていったからだな。

なるほど…サシュレさんには心細かったんだろって言われました。

暗い顔だったんじゃないか?体力をつけた方が良さそうだな。

はい!

だがまずは異空間移動する為の入り口を探し当てる技も必要になってくる。ミラは自分で探し当てたのか?

偶然洞窟を見つけたんですが、私より先にドワーフさんが通りました。

なるほどな。ドワーフは鉱石を採掘する為に様々な場所へ訪れる。ドワーフが開けた異空間の入り口だったんだろう。

へ~。

お前達はまだ入り口を作り出す技術もマナも体力もないから、興味本位で異空間移動しないように。死ぬからな。

ひぃ…!

異空間移動については大丈夫か?

は~い!

 


よーし続けるぞぉ~

遊間には元奴隷や人類など様々な種族がたくさんいる。戦闘能力の無い種族には生き辛いのが現実だから、そういう種族にとって遊間は安心できる場所となっている。

ちなみに私は緋奈ひな族だ。ハカセは博識な好能こうの族だな。

🧐はい!

チョウノは飛流ひりゅう族か。

🥴そうです!

🙄チョウノ飛べるの?

🥴まだ飛べないよ。飛ぶ為にここに来たんだぁ。

情報収集は基本だ。テアトルムには何の種族がいるのか各々で調べるように。ただし、無闇に話をするのは危険だから、気をつけるように。

はーい。

 


テアトルムを管理しているのはDiosa。遊間も管理している。

ミナトさんが次々と客を招き入れたことで住民が増えた。

しかしDiosaもミナトさんも何もしてくれなかったので、住民は生きる為に知恵を絞った。

ミナトさんの魔導具を量産する者が出て魔導具が特産品になった。

ミナトさんの本棚にあった薬草図鑑を読み、様々な薬湯を作り出す者が出て湯屋が出来た。

これといって特技の無いものは自らを商品にし出し、湯女が現れた。

そうして出来たのが遊間である。

贅沢は出来ないが最低限の生活が出来るようになった。

 


これが遊間の成り立ちだ。お前たちがここで学べるのも、Diosaが受け入れてくれたことに起因する。感謝の気持ちを持ち、自分に何が出来るのかを探して生きるように。

はーい。

先生、遊間の外には何があるんですか?

 


カーンカーンカーン🔔

 


時間だ。それについてはまた明日にしよう。授業は終いだ。

ありがとうございました。

はい。ありがとうございました。

🧐セイ先生

どうした?

🧐Diosaは何で人類達を受け入れたのでしょうか。

気まぐれだろう。受け入れた訳ではなく、勝手に入り込んできたまま放置していたと聞いた。

🧐はぁ…冷たいんだか優しいんだか分からないですね。

Diosaは気ままだ。振り回されないように心を広く保つといい。

🧐はい。