甘能美にあふれた世界

創作の引き出し。創作途中の話もあるので、突然文章が変わる事があります。

悪魔のペット ④ ※キス表現有り


ある日、明道院は実家がごたついたらしく、収める為に明道院が帰る事になった。もちろんラウも一緒に。

 

基礎は全て伝えました。毎日励み、鍛え続けなさい。

 

はい師範…。また、会えますよね…?

 

そうだね。お前が成長していればいずれね。

 

はい。

 

ジリ…

 

…またっ、

 

ラウか。

 

今日は早朝からですよ!殺気ムンムンで殺されるかと思いました!

 

はっはっはっ、お前たち本当に仲良くなったなぁ!

 

全然!仲良くなんかないです!

 

ザザッと背後へ回るラウ。それを軽く避ける娘。

 

(2人共、本気鬼ごっこのお陰で身のこなしがグンと成長したね)

 

今日はお前を攫うつもりで追いかける。覚悟するんだな。

 

はっ、覚悟すんのはお前の方だよ。二度と追えなくしてやるからな!

 

今日は…遊びじゃない。

 

上等。

 

30分後には出るからね。

 

ラ:分かった!!!
ミ:分かりました!!!

 


〜それから20分後〜

 


ボロボロになったラウにまたがる娘が居た。

 

ふん!お前にひと泡吹かせるためにたくさん練習したんだぞ。驚いたか!

 

息を荒げながら誇らしげに言う娘。

 

はぁ、…あぁ、凄いな。はぁ、はぁ、やはり…美しい。

 

き、きもちわるっ!?

 

お前と別れるのは実に寂しい。だが俺は跡を継ぐ為、親父の元を離れられない。

 

…私は清々する。

 

そうか、ふふ。

 

起き上がり息を整え、俯いたラウは見上げるように娘を見た。

 

…最後に一つ、願いを聞いてくれないか。

 

変なのじゃないだろうな。

 

大丈夫だ。…目瞑ってくれ、

 

……。

 

娘は少し俯きながら静かに目を瞑った。羅宇が近づくのを感じ、体に力が入る。

 

チュ…ちぅ……

初めて長く深いキスをした。


二人は名残惜しそうに唇を離す。娘の目には涙が溜まっていた。

 

ラウ…行っちゃうの…?

 

……行く。

 

ふぅ…ぅっ、グズ…

 

ラウは静かに泣く娘を優しく抱きしめた。

 

 


最後の鬼ごっこはどっちが勝ったんだい?

 

引き分けだ。

 

おや、引き分けは初めてじゃないか?

 

決着がつかなかったんだ。

 

…そうか。決着はつけないとなぁ。

 

…あぁ。

 

そういえば羅宇。

 

ん?

 

ミケはヴィライザの奴隷なんだよ。

 

奴隷!?あんなのびのびした奴隷初めて見る!

 

私もそう思うよ。ペットだと言っていたからね…気に入っているだろう。簡単には奪えないだろうね。

 

あいつはいずれ倒す。その前に家督を継ぐ。そして、迎えに行く。

 

娘は見送りに現れなかった。部屋に戻り、窓の外を眺めながら名前のわからない宝珠をコロコロと転がしていた。

 

『必ず会いに来る。
この宝珠は、約束の証だ。』

 

次の日、誰も追いかけて来ない。

清々する…。

誰も追いかけて来ない。

ひとりってさびしい…。