Theatrum

創作の引き出し。創作途中の話もあるので、突然文章が変わる事があります。

世界に1つしかないボク 仮(2014.4)

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ボロボロなオレンジ色のポンチョを着た6歳くらいの少年が、ロボットと生活する話。

 
見渡す限り一面砂の世界。
そこに少年とロボットがいた。
 
ロボットは大抵の事は何でも知っていて、少年の命をいろんな意味で支えている。
特に砂に埋まった金属を探し出し、掘り起こす能力に長けていた。金属はキカイというもので、修理して少しのエネルギーを与えれば元気よく動き出した。
 
そのキカイの発見数は100を超え、少年にもキカイを修理する知識が身についていた。
少年は新たにキカイを生み出す事に挑戦しているが、未だ成功していない。というのもロボットは修理が出来てもキカイの作り方は知らなかったからだ。
 
少年の名前はソルム、12歳。見た目は6歳くらいで、小さい。褐色肌に、ボロボロオレンジポンチョを着ているのが特徴。
ロボットの名前はメニズム。
 
2人がいつものように掘り出したキカイを修理していたある日。メニズムによりエネルギーを得た新しいキカイが大きな音を立てて動き出した。
メニズムがスキャンすると、転移装置だという事が分かった。
しかし、確かにキカイは動いているのにボタンを押しても反応をみせなかった。ソルムとメニズムは転移装置をキカイ倉庫に運んだ。使い所が分からないキカイは倉庫に保管しているのだ。
 
その夜、ソルムがふかふかベッドへ、メニズムが充電ベッドへ入り眠りについた後、キカイ倉庫でなにやら物音がした。物音はすぐに止んだ為、2人が起きる事は無かった。
 
翌朝目覚めると、ベッドの横で食べ物を貪り食っている少女がいた。ソルムは驚き、大声でメニズムを呼んだ。自分以外の人間を見るのは初めてだった。
そこへ、のそのそと現れるメニズム。
 
「まだ眠いですよソルム。」
「なんで!?なんで叫んでるのにそんなのんびりしてるの!?」
「あなたの叫びに命の危機感が含まれていなかったからですよ。おおかたゴキブリにでも驚い…おや?」
「ゴキブリじゃないわよ。失礼ね。」
「…豪快に食事をされているので、」
「う、うるさいわね。3日ぶりだったから我慢できなかったの…!一応悪いと思ったから家主の前で食べてたのよ?」
「まって、まって、なんでそんな自然に会話できるの?メニズム知り合い?」
「いいえ?初めてお会いしました。」
「初対面ね。私はナーベル。」
 
突然現れた色白少女は機械に溢れた世界で、機械修理を仕事にしながら暮らしているという。ソルムの前に現れる直前も、遺跡から発掘された機械を調査していたのだという。
メニズムは少女の世界にも新型ロボットとして扱われていた。
 
 
「ふーん?1人と一台で暮らしてるんだ。他には誰もいないのね」
「そう。君のいた所はいる?3人くらい?」
「もっといるわ。両手の指と足の指を合わせても足りないくらいにね。」
「そ、そんなに!?」
「あなた、機械の修理をしてるんでしょ?何の為に修理してるの?」
「どういう存在なのかを知りたいからかな。他にやる事ないし。」
「お金にならないのに直すなんて変わってるわね。」
「お金?」
「物々交換する際に使用される金属や紙です」
「何で交換するの?見つければいいのに」
「ホントに一人で生きてきたのね。」
「生きる為、暮らしやすくする為の知恵ですよ」
「ふーん?つくってみれば?」
「え?」
「つくれないの?」
「…そういえば、機械の修理は出来るのに…造った事ないなぁ。新しく造るのは禁止されてたんだよね」
「なんで?」
「知らないよ」
「造っちゃえば良いよ」
「……そうはいっても、造り方が分からないもの。あなたは知ってるの?」
「分からない。」
 「私も製造のデータは持ち得ていません。」
 
 
 
〜創作途中〜
↓ボツ案
 
 
 
「食べれるかな?」
「硬いみたいです」
「硬いなら煮てみればどうかな?」
「切り取ってみましょう」
メニズムは高温のレーザーを出してつるを切った。すると、四角い物体には蓋のような物があり、箱状の形をしているのが分かった。
「蓋取ってみようか」
「大きな箱にはお化けが入ってますよ」
「うそ。じゃあやめる」
「開けましょうか」
「開けるよね」
2人は蓋を開けてみる。
 
中は真っ暗で、底が見えなかった。
「おーい!」
「反響してますね。まるで底無しみたいですよ」
「メニズム、入ってみてよ。」
「チャレンジャーメニズムですか」
「いってらっしゃい!」
「なんと冷淡な」
「あ!待って、一応命綱つけとこう…」
「これが…優しさ…」
「気をつけて、メニズム」
「はい。底を確認したら戻ります」
メニズムは箱の中に入り、恐れることなく底を目指していった。メニズムに結ばれた綱はみるみる内に短くなっていった。ついに綱の端が飲み込まれそうになり、慌てて掴むソルム。
 
「メニズム大丈夫ー!?」
「はい。なにやら凄いですよ。ソルムさんも来てください。」
「え、でも」
「あれは是非その目で見てもらうのが1番です」
「あ、おかえり」
「はい。帰ってこれるようですね。」
「うん…」
「怖いですか?」
「…こんな暗い所に入るの初めてだし、先が見えなくて…」
「私が灯りを灯しましょう。帰るために綱を結んで…。保険に二本くらい結んでおきましょうか。」
「え、なんで」
「切れたら大変ですから」
「や、やめようかな…」
「とても美しい光景でしたよ?きっとソルムさんも感動します」
「んん…」
「私が付いてますよ」
「……うん。」
 
身体にしっかりと綱を結び、メニズムと手を繋ぐソルム。2人は一気に穴へ飛び込んで行った。
 
 
「ソルム、目を開けてみてください。」
浮遊感に恐怖を持っていたソルムはギュッと瞑った目を少しずつ開いていく。
「わ…わぁーー!!」
ソルムとメニズムを迎え入れたのは大きな大きな樹木だった。何千年も前からそこに立っているであろう立派な姿で、威厳があった。
「ぼく、初めて見た…これって」
「はい。植物です。」
「メニズムも初めて?」
「はい。」
「なんだよぉ、ぼくだけはしゃいじゃって恥ずかしいなぁ」
「いえ、そんな事はありませんよ。ロボットなりにはしゃいでいます。」
「そーは見えないけどぉ」
「ほら、ソルム、みてください。あれはバナナですよ。とても栄養価ぎ高いのです。あっちにはさくらんぼがあります。小さいけれど甘く美味しい果実です。あちらにはヨモギが…」
「確かにはしゃいでたね」
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