甘能美にあふれた世界

創作の引き出し。創作途中の話もあるので、突然文章が変わる事があります。

聖騎士 (2014.4)

ミューリウムと聖騎士

「ミュー、王国から手紙が来てるよ」
「無視していいよ。」
「これで5通目だね。中は読んだの?」
「読んでない。
手紙を開け、文を読むミズキ。
「どーせ、マジョルカの件はありがとう、城に来て報告しろってんだろ。うるっせーんだよ糞爺が」
「あ、正解。」
「くそっ!こっちは悪魔に取り憑かれてんだぞ!!?お手紙一つで済まされることじゃねーんだよ!!家まで金銀財宝美味しいご馳走もって来いってんだ!!」
机に足を乗せて怒りを爆発するミューリウム。
「城で馳走してやると書いただろう。何通送ってもこないと思えば、貴様は」
店のドアを開けて入って来たのは、きらびやかな勲章をつけた金髪の男性と黒髪の大きな男性。
「お、王国騎士…?」
「やぁ、ミズキ君だね。私は王国騎士団 団長シャルグだ。こっちは副長のジャム。」
「以後お見知り置きを」
「初めまして、」
「何しに来やがった!!」
「吠えるな野良猫。いくら手紙を送っても動きがないからこちらから出向いてやったんだ。貴様、任務を渡されたら報告までが義務であろうが。」
「だーかーらー、マジョルカは大人しく私の言うことを聞いたって言ってるだろ!」
「そんな曖昧な報告で済まされるか馬鹿者!」
「済ませよ!騎士団長なんだからそのくらいやれよっ!」
「まぁまぁ落ち着いてください。シャルグさん、ジャムさん、中へどうぞお茶を用意しますので」
「あぁ、悪いな」
「ちっ、」

「じゃあ、僕お店みてますね。」
紅茶と少しの茶菓子を置いて客間を出て行くミズキ。
「ズズッ、ブルーベリーか、美味いな」
「よく出来た子だろ。めちゃくちゃ可愛い。」
「あの子もマジョルカが絡んでいるらしいな。」
マジョルカの部下だ。馬鹿医者の好奇心であの子が産まれてしまった。ま、今となっては良い相棒が出来て嬉しく思ってるけどね」
「ルブラン、まだ死なないか。」
「死なないねぇ」
「不死の元はマジョルカの魔法だという噂があるが…?」
「いや、詳しい事は何も」
オフレコには従っとこ...一応。
「まぁ良い、今回はマジョルカの気まぐれを回避出来ただけでも上出来だ。」
「私の自由と引き替えにな」
「どんな条件を出されたんだ。」
「言いたくない…」
顔をうずめるミューリウム
「そうされるとますます気になるんだが…」
「…マジョルカ、あいつは今世界で一番強いと思う。あの禍々しい魔力と底知れない能力はヤバイな。間近で確認したが、正直手も足も出なかった」
「あぁ、前回の王国訪問時にも禍々しい魔力を垂れ流して行ったよ。いつでも裏切れるって感じだったな。今のところ奴の興味が世界転覆では無く色んなところに向いてるのが幸いだ」
「そういえば、マジョルカの部下って何人いるんだ?」
「20人強だ。」
「曖昧だな」
「正確には分からない。目についた奇抜な奴を気まぐれでスカウトしてるらしいからな。それを全部部下にしてる訳では無いようだが…」
「へぇ~?…気が重いよ」
マジョルカ邸に行ったのだろ?部下の人数は分からなかったのか。」
「それどころじゃなかったんだよ…」
「一体何をしてきたんだ…」
「ま、王国がマジョルカのご機嫌を取りたい気も解ったから、今回は甘んじてやったよ。その代わり、下手な真似してマジョルカの機嫌を悪くしたりするなよ?」
「あぁ、王国騎士として国の統制はしっかり取るつもりだ。…損な役回りをさせて悪かったな。」
「いいさ、これで王国に貸しが出来たしな」
「ほどほどに頼む。じゃあ今日はこれで失礼する」
「うん。今度は品物買いに来いよ」
「わかった。良い薬草を仕入れといてくれ。」

「ありがとうございましたぁ~。大丈夫だった?」
「うん。普通に話して終わったよ。面倒には変わりないけど…」
「ふ~ん?それで、金銀財宝美味しいご馳走もらったの?」
「あ!」