甘能美にあふれた世界

創作の引き出し。創作途中の話もあるので、突然文章が変わる事があります。

テアトルム05

遊間は湖に囲まれた土地に在り、

東西に分かれた道と繋がっている。

東へ行くと悪魔の巣食う迷いの森がある。

西へ行くとイバラの生い茂る地獄道がある。

容易ではないが通れなくもない。

命を1つや2つ落とすだけだ。

 


大変な思いをせずとも遊間を通れば簡単に北へ進める。通行証があればただ通り過ぎることが出来る。しかし遊間には珍しい特産品や湯屋がある。通り過ぎるだけでは後悔する。

 


先生。

ん?新入生のミラ。なんだ?

🧐説明口調だ。

私はサシュレさんが待つ場所に異空間移動してたどり着いたらしいのですが、それはどういうことなんですか?

あぁ。お前は異空間の入り口を見つけられたんだな。

🙄異空間の入り口?

通常のルートは先程説明した通りで、他の道といえば空を行くか湖を通るかだ。しかし、魔導師は別の方法を取ることもできる。それが異空間移動だ。

🧐ミラさんに出来たという事は僕達にも出来るという事ですか?

出来る。異空間移動は体力とマナが多く必要だ。よって、移動中に体力かマナどちらかが切れれば異空間に取り残されてしまう。

えぇーー!?

帰れるんですか?

帰れない。異空間は無数に存在する不安定なものだ。それを保持し続けるためにマナが必要で、安定させるために体力が必要なんだ。

🙄ミラさんよく無事でしたね。

🥴それだけマナも体力もあるんだねぇ。

実は、最初は身長より大きな洞窟だったのに、先に進むにつれて通路が狭くなっていったんです。最後はハイハイで進みました…。

それは体力かマナどちらかが減っていったからだな。

なるほど…サシュレさんには心細かったんだろって言われました。

暗い顔だったんじゃないか?体力をつけた方が良さそうだな。

はい!

だがまずは異空間移動する為の入り口を探し当てる技も必要になってくる。ミラは自分で探し当てたのか?

偶然洞窟を見つけたんですが、私より先にドワーフさんが通りました。

なるほどな。ドワーフは鉱石を採掘する為に様々な場所へ訪れる。ドワーフが開けた異空間の入り口だったんだろう。

へ~。

お前達はまだ入り口を作り出す技術もマナも体力もないから、興味本位で異空間移動しないように。死ぬからな。

ひぃ…!

異空間移動については大丈夫か?

は~い!

 


よーし続けるぞぉ~

遊間には元奴隷や人類など様々な種族がたくさんいる。戦闘能力の無い種族には生き辛いのが現実だから、そういう種族にとって遊間は安心できる場所となっている。

ちなみに私は緋奈ひな族だ。ハカセは博識な好能こうの族だな。

🧐はい!

チョウノは飛流ひりゅう族か。

🥴そうです!

🙄チョウノ飛べるの?

🥴まだ飛べないよ。飛ぶ為にここに来たんだぁ。

情報収集は基本だ。テアトルムには何の種族がいるのか各々で調べるように。ただし、無闇に話をするのは危険だから、気をつけるように。

はーい。

 


テアトルムを管理しているのはDiosa。遊間も管理している。

ミナトさんが次々と客を招き入れたことで住民が増えた。

しかしDiosaもミナトさんも何もしてくれなかったので、住民は生きる為に知恵を絞った。

ミナトさんの魔導具を量産する者が出て魔導具が特産品になった。

ミナトさんの本棚にあった薬草図鑑を読み、様々な薬湯を作り出す者が出て湯屋が出来た。

これといって特技の無いものは自らを商品にし出し、湯女が現れた。

そうして出来たのが遊間である。

贅沢は出来ないが最低限の生活が出来るようになった。

 


これが遊間の成り立ちだ。お前たちがここで学べるのも、Diosaが受け入れてくれたことに起因する。感謝の気持ちを持ち、自分に何が出来るのかを探して生きるように。

はーい。

先生、遊間の外には何があるんですか?

 


カーンカーンカーン🔔

 


時間だ。それについてはまた明日にしよう。授業は終いだ。

ありがとうございました。

はい。ありがとうございました。

🧐セイ先生

どうした?

🧐Diosaは何で人類達を受け入れたのでしょうか。

気まぐれだろう。受け入れた訳ではなく、勝手に入り込んできたまま放置していたと聞いた。

🧐はぁ…冷たいんだか優しいんだか分からないですね。

Diosaは気ままだ。振り回されないように心を広く保つといい。

🧐はい。

テアトルム04

遊間を目指して歩くとすぐに妖魔が襲ってきた。身につけたばかりの魔導で負傷しつつもなんとか回避する。

 


負傷した傷が激しく痛みだし、膝を付く。

😈その痛み、とってあげようか?

だれ!?

😈君の名前を教えて?

人など見当たらなかった森の中で突然現れた人物。柔らかい笑顔を向けてくる男の後ろには怪しい気配が感じられた。

男の申し出を断り続けると、みるみるうちに表情を変え、更に痛みを与えてきた。

😈痛みだけじゃつまらないから、絶望的な気持ちにさせてあげる。どうやらキミは凄まじい呪いにかけられてるね。

呪い?

😈心臓に何か刺さってる。そのままにしてると死んじゃうね。

テオの手助けもあって男を追い払うことができたが、悪魔の言葉に動揺を隠せないミラ。

フラつきながら湖に近づく。痛む傷口を湖に浸す。

 


不思議そうな顔でミズキを眺める妖精。

🧚‍♀️死んじゃうの?

え?

突然話しかけられた相手が小さくて驚くミラだが、食いつき気味で質問してくる妖精にノせられて答える。

🧚‍♀️なんで死んじゃうの?

知らないよ。勝手に言ってただけだし。

🧚‍♀️心臓見せて見せて?

は!?やだよ!

🧚‍♀️見るだけ見るだけ!

妖精はミラの胸に耳を当てた。

🧚‍♀️…金の…針…

金の針?

川に落ちた時のことを思い出すミラ。

🧚‍♀️見たことあるよ。ね?

🧚‍♂️あるある。

え?どこで?

🧚‍♀️石版!

🧚‍♂️遺跡!

石版遺跡?

🌟石版都市じゃないか?

🧚‍♀️🧚‍♂️そうそれ!

テオ知ってるの?

🌟1000年前に滅んだ遺跡だ。空に浮いていたらしい。

空に?

🧚‍♀️石版都市の天帝にも刺さってたよ。

🧚‍♂️覚えてる覚えてる。

なるほど…。石版都市行きたい。

🧚‍♀️それよりテアトルムだよ。

🧚‍♂️そっちの方が早いよ

🌟テアトルムってなんだ?

🧚‍♀️遊間にある学園!

学園?アカデミー?

🧚‍♂️違うよ。学園!

🌟どう違うんだよ。

🧚‍♀️全く違うよねー

🧚‍♂️見てみればいいじゃんねー!

行き方知ってる?

🧚‍♀️知ってる?「知らなぁい」「あっち!」

妖精に引っ張られて辿り着いたのは小さな洞窟だった。

「ここ?…あれ?」

気づくと妖精は消えていた。

 


薄暗い森の中、急に淋しさがこみ上げてくる。この洞窟の先に何があるのか…ここでじっとしているくらいなら洞窟に入った方が…

忘れていた傷がまたズキズキ痛み始める。

「どうした?」

緑色のとんがり帽子を被ったドワーフに話しかけられた。

「そこに入らないならどいとくれ。ワシそこに入りたいんだ」

「この洞窟はどこに繋がっているんですか!?」

「知らんね。君の望むところに出るじゃろ。」

そう言って洞窟に入って行ったドワーフ

「チミ、この洞窟初めて?」

行ってしまったかと思えばヒョイと顔を出してくれた。

「初めて…ていうか、森で迷っちゃって…ッ」

「怪我をしてるのかい?どれ、見せてみ。」

懐から薬のような物を出して塗ってくれた。

「少しすれば痛みは引くじゃろ。ただし、痛み止めじゃからな、医者に診てもらえよ。」

「ありがとう。」

「うん。じゃあな。」

「あ!あのっ」

「そうじゃ、チミ、この洞窟初めて?」

「はぁっ、はい!初めてです。」

「そうか、この洞窟はな、本来なら存在しない曖昧なものなんじゃよ。簡単には絶対現れぬ。チミのような魔導師やワシみたいなもんが呼び出せるんじゃ。」

「魔導師…」

「そうじゃ。洞窟は望む場所に繋がる。だからワシが入ったらちょっと間を置いて入れよ。ワシの望む所に出ちまうからな。」

「分かった。ドワーフさんありがとう」

「いいよ。チミは素直でいい子だからさ、お節介したくなっちまった。ははは」

笑い声が洞窟の奥に消えていく。

痛みが引いてきた…、淋しさもちょっと無くなった…

「そろそろ、いいかな。」

 


意外と狭いな…

最初は歩いていたのに、中腰になりついには四つん這いで洞窟を進んでいる。

「もしかしてドワーフさんの所に繋がってない?」

ハッとして止まるミラ。

「行きたい所、行きたい所、遊間遊間…テアトルムテアトルム…」

目を瞑り、言葉に出して念じてみる。

すると、何かに引っ張られるような、呼ばれるような感覚がした。

「…よし。」

再度気を引き締めて洞窟の先を目指す。

 

 

 

「何にも見えない。」

行き先を定めてから10分程して何も見えないくらい真っ暗になった。行くか戻るかの道しかない洞窟を、ひたすら暗闇に向かって進み続けている。

「いでっ!…ッた~、何かに当たった!これは…」

洞窟の端に辿り着くと、そこにはドアのようなものがあった。

「ドアのぶは無いのか…。どうしよう。……」

 


トントン

 


おもむろにドアをノックしてみる。

 


「すみませーん。テアトルムに行きたいんです。開けてくださーい。」

 


トントン  トントン

 


ガチャ

 


「開いた!?」

「おや?見ない顔だね。いや、誰の顔も覚えてないんだけどねっあはははは」

茶色いローブを着た鼻の長い、元い鼻の高い白黒の毛深い生き物が豪快な笑い声で出迎えてくれた。

「さぁ、遊間へようこそ。少女。」

「遊間…」

優しい色の家々、活気のある市場、美しく吹き出す噴水の周りには陽気に歌う者や楽しく語らう者達…。

「わぁ…」

「すげぇだろ?ありゃ王国さ。国王様が居るんだぜ?そりゃ当たり前か!あはははは」

振り返ると洞窟の入り口は無くなっていた。

「あぁ、通路は閉じちまったぜ?後がつっかえちまうからなぁ。お、キタキタ!」

ミラが出てきた扉とは違う、立派な装飾が施された扉が現れた。

「よぅ。見ない顔だね。いやっはっはっはっ!!」

「あの、なんで私のと扉の形が違うの?」

「じゃあなー。あ?そりゃ同じ扉なんていっこもねーさ。て少女、マジで新参者かい。」

「うん。初めて来たんだ。」

「そーかいそーかい!ようこそ!あんた見たところ魔導師だね?魔導師があんな小さい扉から出てくんのは初めてだ。はっはっはっ」

「さっきの豪華な扉から出てくるの?」

「一概にそうとは言えねーがな。あんた、心細かったんじゃねーのか?異次通路は感情に反応するからよ。」

「感情に?」

「おう。通路を通ってる時どんな気持ちだった?」

「…森で迷ったり、悪魔にあったり…。テアトルムに行きたかったんだけど…確かに心細かったかも…」

あん?テアトルム探してんのか?それならこっから北にずっと進めば見えてくるぜ。

そうなんだ!ありがとう!

 


やぁ、サシュレ。差し入れを持ってきたよ。

白髪に綺麗な紫色のメッシュがかかった猫目の女性がドアを開けてくれた生き物に話しかけた。

よぉ!いつもあんがとなぁ~!はっはっはっ!

おや、新しい子?

「あ、こんにちは。

「こんにちは。ミナトです。

ミラです。

「ちょーどいーじゃねーの。そいつテアトルムに行きたいんだとよ。連れてってやったらどうだ。

「そうなの?

「はい。テアトルムに行きたくて。

「いいよ。入園資格は?

「えっと、たとえば?お金?

「少女ぉ~テアトルムの入園資格は金じゃねーんだよぉ~そんなことも知らねーで来たのかぁ?

「え?

マナだよマーナ!

あ、それならあります!いくらでも!

いくらでもはねーだろ。

なら大丈夫。じゃあ行こっか。サシュレまた何か持ってくるね。

おー!さんきゅーなぁ~

サシュレさん、ありがとうございます!

おー、頑張れよー。

 

 

 

 

 

 

どこでテアトルムの事を?

森で迷った時に、妖精から聞きました。学園だってことしか分からなかったけど。

テアトルムはねぇ~魔導・実技・ライフスキルを身に付ける為の学園なんだよ。身に付ける事が目的じゃない子もいるけど~…一種の保護施設かな?

孤児院みたいにですか?

んー、子どもだけじゃないかな。

はぁ、…?

もし君がテアトルムで暮らしたいなら歓迎だよ。その時は入学金が必要だけど。

…分かりました。

話しながら歩いていると、一軒の店の前に着いた。

さて、テアトルムに入る前にこの水晶を手に持って。

ここがテアトルムですか?

ここは入り口だよ。エントランス。

エントランス…?

はいコレ。

はい。

ここにマナを注いでみて。

はい!

半透明の水晶の中に黒と赤の渦が発生した。その中に金色の光何かもあった。

女性はミラを見つめて静かに微笑んでいる。

ど、どうですか?

「ふふ、良い色だね。キミはこれから大変だろうけど、どんな事があっても諦めないで進みな。

「え?

「さぁ、ここがテアトルムだよ!

わぁー!……ん?

赤い布がいくつも垂れ下がった門をくぐり、店に入ると普通の店だった。

この先この先。

いらっしゃーい。ミナトまた新しい子?

うん、ミラちゃん。よくしてやってね。

あいよー。

よ、よろしくお願いします。

俺はルコ!よろしくぅ~今仕事中だからさ、後で顔だしてくれたら案内するよ!

ありがとうございます!

その奥がテアトルムだよ。

店の入り口と同じ門に、今度は黒い布がいくつもかかっていた。その門をくぐると、

おぉー!!

赤と濃い紫を基調とした中華風の建物が連なっていた。遠くには見張り台のような高い建物や、王様が住んでいそうな立派な建物まで。

こっちだよ。まずは在籍カードを作ろう。

あ、えっと、その前に。

その前に?

学園長さん?ですかね、そういう人に挨拶しないと…ですよね?

あぁ。大丈夫だよ僕がそれみたいなもんだから。

えっ!?だから色々…えぇ!?

ふふ、さぁこっちだよぉ~。

 

 

 

思えばここまで来るのに色々あった。

いきなり死にかけたと思ったら魔導が使えるようになって、15年間一緒に過ごした家族と別れて旅に出て、初っ端から森で迷子になる。

性格の悪い嫌味な笑顔の悪魔に攻撃されるわ、気分悪くされるわで最悪だった。

でも可愛い妖精達に元気を貰って、小人さんに親切にして貰って、遊間でも色んな人に助けて貰った……さっきミナトさんも言ってた。これからが大変なんだ。頑張ろう。

テアトルム04没

⚛️ねぇテオ?
🌟ん?
⚛️存在が隠れる魔導ある?
🌟亜空間に行けば?
⚛️亜空間は安定してないし、悪くすれば帰れなくなるでしょ?
🌟誰から隠れたいんだよ。
⚛️えー、なんか上手く言えないけどぉ…大いなる存在?
🌟なんだそりゃ。
⚛️上からみてるみたいな。
🌟はぁ?
⚛️まぁ誰から隠れるかは置いといてさ、出来る?
🌟意図が分からないとなんとも言えないな。いくつか試してみるか?
⚛️うん!

 


⚛️じゃあこの魔法陣の中にいれば気付かれないんだね。
🌟そう。
⚛️簡単に魔法陣の中に入れちゃう感じ?
🌟そう。中に入れたくないなら、結界も重ねないと入ってきちゃうな。
⚛️へー。これいいね。マナはどのくらい必要?
🌟お前ならそんなに減らないだろう。やってみ?

 


🌟ちなみに一旦発動しちゃえば解かない限り2回目のマナは必要ない。
⚛️解いたらもう一回マナを注げば再発動出来るってことね。
🌟ん。
⚛️ふーん。

 


🌟スイートホームの魔法陣を描いて、その上に二畳くらいの大きさの板を置く。板には連結の魔法陣を描いて、お前は魔導とマナ、俺は補助魔導な。
⚛️分かった。
🌟いくよっ!

 


家が出来上がる。

 

 

⚛️わぁ…出来た出来た!魔導はなんでも出来るんだね!!
🌟知識とイメージがあれば大抵の事はいけるな。
⚛️よしよし!後は隠す魔法陣だ!
🌟家の周りに隠しの魔法陣と結界の魔法陣を描く。お前の血を一滴こぼして、マナを流し込んで、魔導発動だ。
⚛️はぁっ!!!!

 


⚛️あれ?なんの変化もないじゃん。
🌟血をこぼしたやつにしか見えないし入れない。今俺には見えてないよ。
⚛️そうなの?
🌟俺の血もこぼすと…見えた。
⚛️へー、面白いね…あたらひぃ、我が家…
🌟あ、おいっ!
⚛️マナ…使いすぎた…?
🌟マナ酔いだ。お前が大量に使うから大量に供給されたんだろ、中で休め。
⚛️うん

 


--------------------別の日--------------------

 


ドッバーーーーン!!


🎭…?消えた。確実にこちらに飛ばしたはず…気配が無い。あれくらいで死ぬやつでも無いのだが。まさか…消滅したか?

🎭ひとまず戻るか。


⚛️何!?大きな音したけど!
🌟ヒトが倒れてる。
⚛️えぇ、なんで入ってきてんの?
🌟血が大量に出てるな。
⚛️これやばくない?
🌟あぁ、貧血で死ぬだろうね。
⚛️そうじゃなくて、
🌟は?
⚛️こういうパターンがまたあったら簡単に入れちゃう。
🌟お前な。そんなこと言ってる場合じゃないだろ
⚛️血と契約両方ないと入れないとかにしようよ。
🌟分かった分かった、考えておくから運ぶの手伝って。
⚛️うん。

 


--------------------次の日-------------------------

 

 

⚛️まだあの女の人起きないね。死んだの?
🌟息も鼓動もある。寝てるだけだよ。
⚛️へー。
🌟それよりあれはなんだ?
⚛️知らないよぉ。気づいたらそこにうずくまってたんだもん。生きてるけど動かないんだよね。
🌟話しかけたのか?
⚛️えぇ、なんで?
🌟お前…なんか…冷たくない?
⚛️今は他人に割く時間も心の余裕もないんだもん。生計立てて生き抜く作戦考えてって感じで。
🌟はぁ。まぁいいけど、後悔すんのはお前なんだから殺すなよぉ?
⚛️なんで私が育てるみたいになってるのよ。

 


🌐子どもは何も話さないまま私の家の隅に居座った。さして邪魔でもないので放置していた。

⚛️そろそろ脱水症状が出る頃…ん?傍らにあるコップから察するに水は飲んでるみたい。

 


--------------------次の日-------------------------

 


🌐何かゴソゴソやっているのを放置していたら良い匂いがしてきた。魔女さんの分も作ってみたと、野菜炒めを持ってきた。魔女?
テオから教わり自炊を覚えたらしい。

 

⚛️魔女ってなに?
🎮魔導使いのお姉さんだから、魔女さん。
⚛️なにそれ。
🎮名前知らないんだもん。
⚛️私もあんたの名前知らないわよ。
🎮俺は名前が無くなったんだ。
⚛️なにそれ?
🎮疫病神で捨てられたから前の名前は捨てなきゃなんだ。
⚛️ふーん。

 

🌐また次の日、離れの村から調達した食料で料理を作っていた。生傷が増えていたので聞くと、村の者に付けられたようだ。
テオに聞くと、厄災の原因にされて捨てられたはずなのに村に戻った事を咎められ、家族や村人にやられたらしい、と。

 

⚛️捨てられたのによく村に戻れたね。
🎮魔女さんが出てけって言わないから…
⚛️へ?
🌟感謝の印になんかしたいんだってさ。
⚛️はぁ…?

 


--------------------また次の日-------------------------

 


🌐奴は庭の畑を見つけて、一角分けてほしいと言ってきた。テオに教わり家庭菜園も始めた。ついでに鳥や豚も飼い始めたのだから驚いた。そんな発想私にはなかった。というよりそんな面倒な事やりたくなかったから好都合だなと思った。

 

 

--------------------また次の日-------------------------

 

 

🌐我が家の食事が少し豪華になってきた。

 

🌐奴は子どもを拾ってきた。傷だらけで捨てられていたのを連れて来たので、手当してやった。その日から子どもは孤児や行き倒れを連れてきては世話をするようになっていた。馬鹿馬鹿しい事だが、そいつらの中では、私は救世主のような存在らしい。

 

ヒトが増えて訳がわからないので名前を付けるように言った。子ども一号はミナト。二号はカナメ。三号はツカサ。四号はメイ。名乗らなかった私は魔女さんと呼ばれ、テオは精霊さんと呼ばれていた。

 


--------------------また次の日-------------------------

 


💋ん…、
📓あ、起きた。魔女!まじょー!
💋…こども?ここは、

⚛️起きたの?あなた一週間も寝てたのよ。
💋…すまない。まだ頭がぼーとしていて。今は何日でここはどこだい?
⚛️詳しい場所は言えないけど、菫の南だよ。今日は如月の第25ね。
💋…一週間?やばいなんでだったか思い出せないっ!
⚛️傷もまだ完治してないから、思い出すまで居てもいいわよ。
💋傷?
⚛️家の壁を突き抜けて、大量出血で倒れてたのよ。どこかから飛んできたみたいだった。戦闘してたんじゃない?
💋んー、私は任務途中だったんだ。でもなんの任務か思い出せない…。
⚛️ホットミルク、良かったら飲んで。
💋ありがとう…。
⚛️私奥の部屋にいるから、何かあったらその辺うろついてる子どもに言って。
💋ぁ、分かった。

 


--------------------次の日-------------------------

 


⚛️よし、こんなもんかな。
🌟なに作ってんの?
⚛️マナを使って動かす道具。これは光る。
🌟へぇ〜、よく考えたね。
💋面白い事するな。
⚛️こんな感じで武器や防具や生活用品作ったら楽しいなと思って。
🌟魔導で動かす道具ね、魔導具ってとこ?
⚛️名前?それでいいや。
💋適当だなぁー。
⚛️ふぅ、一息つこーっと。

 

 


📓魔女さんこんにちはー
⚛️やぁ、なにしてるの?
🍰野菜が育ったから収穫してるんですよ。
⚛️玉ねぎ美味しそう〜
📓でしょお!今日の夜ご飯です。
⚛️楽しみだわぁ〜

 

 

 

😀魔女〜!
⚛️ん?
😀こっちの壁が壊れた!
⚛️はぁ、なんで?
😀ツカサが驚かせて豚が突進したんだ。
😆…ごめん。
⚛️…豚は?
😀部屋の中で暴れてる!ミナト達が止めようとしてるんだけどっ、
⚛️全く。

 

 


魔女おやすみぃ〜
おやすみなさーい!
⚛️はい。おやすみ。

 

🌐この子達リビングで寝てたんだ。
まぁ部屋ココと私の部屋しかないからな。
床にタオルひいただけ…掛布も薄い。あれじゃあ身体が痛くなるなぁ。
部屋、用意してあげた方がいいかな。
家畜や畑の世話も出来てるし、もう少しやりやすい環境にしてやっても良いなぁ。

 

⚛️…したら金がいるな。
💋何ぼっとしてんだ?
⚛️んー、子どもは無邪気だなぁと思ってね。
💋お前も子どもだろ。
⚛️あんたも変わらないんでしょ?何歳よ。
💋21だよ。
⚛️ふーん、
💋お前は
⚛️16。
💋16で一人立ちしてんの?
⚛️立ててないけどね。この子達の方がよっぽどひとり立ちしてるよ。
💋かもなぁ〜
⚛️…。
💋で、金がいるのか?
⚛️聞いてたの?趣味悪〜
💋お前が呟いたんでしょ。昼に作ってた魔導具だけど、あれ売れると思うんだ。
⚛️へ?
💋藍や紅の奴らはマナが使えるから欲しがると思う。実際あたしは魔導具の武器が欲しいと思った。
⚛️ふーん。まぁ実際私もこういうの欲しいなって作ったからね。
🌟それをどうやって売るのさ?
⚛️テオ。
💋それはうち、明道院に売れば良い。そっから先は家が勝手に売るから。
🌟それだと原価より高く売られてこっちが損するじゃないか。
💋そうならないように契約するんだよ。魔女が売った値段より高く得てはならないって。
⚛️あんたの家は何の得があるの?
💋仲介料だ。
🎮偽物とか出て来そうだから魔女のマークを付けるとか?
⚛️ミナト、起きてたの?
💋ただの絵じゃ真似されるから、やるなら特別製のマークにした方がいい。
🎮例えば?
💋んー、希少な鉱石を掘ってマークを作るとか?
🌟あぁ…ミラのマナで焼けばいいんじゃないかな。
💋焼印か。
🌟マナで焼いた焼印には少しマナが残るから区別出来る。
⚛️へー、じゃあマークはそれで。問題は数だね。私だけでランタンを作るのに1週間かかってるから。
🎮そんなに!?
⚛️レシピからつくったからね。レシピが出来てれば早く作れる、3日くらいじゃない?
🎮じゃあ僕らが作ればいいんじゃない?
いや、君らはもう十分働いてるでしょ。
📓まだ平気だよ。
🎮メイ。
😆お金を貯めるのは少なからず僕らの為でもあるはず。それくらいやらせてよ。
🎮ツカサ。なんだ、みんな起きてたんだ。
😆頭上であんだけ声が聞こえたら起きるさ。
⚛️あぁ、ごめん。じゃあ明日の朝食後、魔女会議だ。今日はもう寝よう!

 

 

--------------------次の日-------------------------

 

 

⚛️まず第一に、とても大切なことを言う。
私はお前達の思ってるような、救世主みたいな存在ではない。私利私欲の為に動き、自己満足な生活を送っている。
📓そんなことないよ!
⚛️聞きなさい。加えて、私と一緒にいると常に危険がある。
🎮え?
😆なんで?
⚛️私はマナを使う魔導師だが、他の魔導師とは違い、マナ許容に上限が無い。そこを狙った者に襲われた事もある。今後も可能性がある。
💋…。
⚛️さらに厄介な事に、私は常に隠れていたい。
😀へ?
📓恥ずかしがり屋?
⚛️違う、理由は言えないけど、隠れていないと死ぬ気がする。
💋思い込みか?
⚛️違う。言えないんだ。多分呪いの類で。しかし、確実だね。
😀ふーん。
⚛️だから、これから私と一緒にいると危険が伴う。出来れば離れて別の道を歩んで欲しい。
🎮…。
📓…やだ。
😆…や。
⚛️それでも…いいなら、一緒に引越しをしよう。
🎮!?
😆出てけって言われるかと思ったぁ!
😀良かったぁ!
⚛️私は君達を喜んで受け入れてるわけでは無い。君達の命の責任は取れない。
🎮そんなバカな。
⚛️は?
🎮自分の命は自分で守るんだよ。誰かに守ってもらえるほど、この世は上手くできてないんだから。
⚛️ミナト…。
🎮だから、魔女さんはそんな事考えずに今まで通りやっててよ。俺らは好きにするからさ。なっ!
😆😀📓うん!
⚛️……分かった。ありがとう。
🌟よーしっ!ミラ!引越しだなっ!
⚛️うん!

 

 

引越し終わり!
部屋が増えたから案内するねー。
わーーーい!

あそこが私の部屋と研究室。転移魔法陣で行き来出来るから。
あっちはアカデミー。勉学でも戦闘でも、あんた達の好きに使っていいよ。
あっちは居住エリア。部屋はたくさんあるから、話し合って好きに使いなさい。

広い…
めっちゃくちゃ広くなってる…
すごい…
これ、魔導でやったの?
うん。
わぁ…見てこようよっ!
うん!!


お前みたいなのがなんで世間に知られてないんだろうな。
隠れてるからね。
あぁ。そういう事なのか。
内緒にしてた方が楽な事が多いんだよ。
お前は…何に狙われてるんだか。
言えたら楽なんだけどねぇ〜。狙われてるかも実際、分からないけどね。
…。
そういえばさ、思い出したんだわ。
お、良かったじゃん。
明道院は依頼を請け負って仕事にしてるんだけど、あたしもその依頼をこなす所だった。急に攻撃を受けたから応戦したんだが、結果あんたに拾われた時の状態になったって感じだ。
へぇ。誰から攻撃されたか分からないわけ?
服装からすると多分、紅領の騎士だったんじゃないかな。
紅領の?
理由は分からない。途中の任務を終えたら家に帰って報告するつもりだ。
今から行くの?
うん。
その任務もう終わってる可能性は?
ないな。私にくる任務は別の者に振れないものばかりだから。
そう。キミ弱いから心配だよ。
弱くないから。
血だらけだったよ?
本気出す前だったんだよ。
本気の前に死んでちゃダメじゃないか。
辛辣だなぁ〜だったらなんだ?一緒に来るのか?
行く。
マジかよ。そんな義理ないだろ。
だって…心配…、キミが強い所を見れば信用するよ。
お前も大して強くないだろ?魔導使えるだけで。
まだ血だらけになった事ないもん。
はいはい。
テオはどうする?
行くよ、チビどもは?
置いて行く。自分達でなんとか出来るでしょ。伝えて来る。

 

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いつ帰って来るの?
上手くいけば2週間くらいだな。
だって。その間ミナト達だけで過ごせる?
大丈夫!入江はしっかり守っとくさ!
よろしくね。ここは外からは見えないし、入ろうとしても血の契約が無ければ入れないようになってる。安全だとは思うけど、これ渡しておくね。
何これ?
本当に危ない時に砕きなさい。
ど、どうなるの?
知らなくていいよ。使わないだろうしね。
気になる…。
悪戯で砕いたら後悔するからね?
しないよっ!!!
じゃ、行ってきます。


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遺跡?
そ。そこにいる華愚鵺(かぐや)っていうノウムを退治する。
華愚鵺?かぐや…聞いたことあるな…
〇〇族の飼っていた怪鳥が行方不明に。目撃情報が得られたのがその遺跡なんだ。多く殺生をして体が肥大し、凶暴化した為、退治依頼が出た。
⚛️卵みたいなのを産んで、自分で食べる?
あぁ、確かそうだったね。知ってるのか?
⚛️怪鳥の話を聞いて、マナの塊を作るのかなと不思議に思ってたんだよね。
流石オタク。
違うから。好奇心だから。
で?対策考えてんの?
魔力を多く持っているらしく、生命力が高い、凶暴な鳥類。普通に鳥類なら火を怖がるだろうと踏んでる。火がダメだったら?
苦手そうなものをその場で出してくれ。
魔導師ってのは頼もしいもんだな。
全くだな。


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🌐見た目は確かに鳥類だった。首には飾りが多く下がっていて、誰かに飼われていた名残がある。
遠くからノウムを観察する。
食事をし、卵のようなものを産み、それをまた食べる。食べると首飾りが光った。鳥はそれを繰り返していた。

〜〜色々やって退治完了〜〜

🌐鳥を倒し、飾りを近くで確認すると金のブローチが6つ繋がった首飾りと、ツノにかかった紫基調の紐細工があった。ミラは戦利品としてそれらを頂き、羽根やツノ、卵など巣にあるものを手に入れた。

よぉし。任務完了。
⚛️うん。
ん、お前それ腰につけるかぁ?
⚛️だって担ぐと重いんだもん。
1つ光ってるよ。
⚛️へ?あ!?腰下げに入れてた卵から魔力吸ってる!あー、卵が半分に…
なんか入ってんじゃねーの?開けて見よーぜ。

🌐短剣を使って金細工の1つを開けてみる。
すると中には小さな少年が石を抱えて眠っていた。
声をかけて起こしてみると、少年は眠気まなこで答えた。自分は精霊で、精霊石に貯めたマナを運ぶ往復に飽き、あの強い鳥に寄生していたという。精霊達が鳥の魔力を吸い続けるから、鳥は自分に魔力を貯められる様、遺跡に来る生物全てを喰らっていたという訳だった。本当は運ぶのが億劫でサボっていた…という様子だった。因みに六匹兄弟で他の金細工にそれぞれ住み着いてるとのこと。

🌐ミラは兄弟を起こして契約を持ちかける。食事や住まいは工面するので、引き続きミラの為に精霊石を作ってくれと。

🌐強い鳥を倒したあんたならもっと強いだろうし、寝るだけの生活には飽きていたところだと六匹共了承。契約を交わした。

精霊との契約ってどうやるんだ?
🔴軽いキスだな。
🔵口にこうチュッと。
💕僕ファーストキスだよ!
💚俺もだ。ってーかお前ら全員だろ。
💛えーどーしよーどーしよー。
⚛️いいから、はやくしてくれる?
💕うぇぇ、ムードとかない訳?
⚛️小さな君達と巨大な私とではそういう雰囲気にもならないでしょ。
💕ちぇっ。

精霊、俺だけじゃ足りなかったわけ?
いや、教わるのはテオが一番いいんだけど、精霊石がたくさん欲しいんだよね。
…何企んでんのさ。
特殊な魔導具を考え中で、マナの凝縮個体がたくさん欲しいなとお待ってたんだよね。
どういうこと?
⚛️ふふ。詳しくは屋敷に帰ったら伝えるね。

テアトルム03-4

⚔️よぉ、一回アカデミー見ておいたらどうだ?

⚛️んー、そうですね。

⚔️俺は仕事だからアカデミーには行けないけど、場所わかるよな?

⚛️はーい。

 

🏵わっ!
⚛️大丈夫?ごめん見えてなかった。
🏵いえいえ!僕からぶつかってしまったので、すみませんでした!
⚛️アカデミーの子?
🏵まだ入学してないです!
⚛️そうなんだ。遊びに来たの?
🏵うううん。ミラって人を探してるの。
⚛️ミラ?ハートネット?
🏵そう!知ってる!?
⚛️いや、知らないや。
🏵なんだぁ、また探さないと。
⚛️探してどうするの?
🏵アカデミーを案内したかったの。
⚛️へー。私も始めて来たから案内してもらいたいなぁ〜
🏵あ、いいよ!案内しながらミラ探そうかな!
⚛️うん。よろしくー。


🏵アカデミーは専攻に分かれていて、勇者・魔導師・戦士がある。勇者は魔導師と戦士両方の修練を積むんだ。
⚛️ふーん。誰が教えてるの?
🏵最初は勇者マルカと魔導師ヒナと戦士ガンゾと戦士バフラが教えてたよ。その教え子達が育ったから今はその人達が教えてる。初代達は相談役みたいな感じ。
⚛️へー。キミ…あ、名前なんていうの?
🏵ミズキ!
⚛️ミズキはどの専攻に入りたいの?
🏵勇者!
⚛️てことは魔導使えるの?
🏵へへ…使えないんだぁ。
⚛️あ、そうなの?
🏵だから戦士にしかなれないんだぁ。
⚛️戦闘のプロになればいいんじゃない?
🏵…うん。そうだね、
⚛️…。
🏵お姉さんは誰かとアポ取ってるの?
⚛️いや、取ってないんだよね。
🏵じゃあ案内は終わりだね!
⚛️ありがとう。助かったよ。
へへへー!!
♠️ミズキ〜、また人に迷惑を掛けてるのか?
🏵違うよ!案内してって言われたからしてたんだから!
⚛️案内をお願いしました。この子はしっかり説明してくれました。
♠️そうでしたか。よくやったな。
🏵ふふふ。僕のお父様だよ。
♠️どうも。マルカです。
⚛️は、じめまして…ぇ?お父様?
🏵うん。
⚛️ミズキくんのお父様は勇者かぁ…。
♠️アカデミーには入らないとオーナから聞いてる。見学かな?
⚛️あ、はい。実際に見てから決めようと思って。
♠️そうか。どうだった?
⚛️んー、まだよく分かりません。
🏵え、僕の説明良くなかったかな…
⚛️そういうことじゃなくて…
♠️必要性を感じなかったんだね。
⚛️…。
♠️ここが全てではないからね。納得いくものを自分で見つけていくといいよ。見つけにくい分大変だろうから、頑張りなよ。
⚛️はい、どうも。
マルカさん、ヒナさんが呼んでましたよ。
♠️分かった。じゃあ…

⚛️あのっ、石版都市に行く方法を知りませんか!?

🏵石版都市?遺跡に?

⚛️はい。行ってみたいんです。

♠️行く方法は2つある。空からか、地上からか。

⚛️2つ…

マルカさん。

⚛️どうやって!?

♠️ごめんね。時間がないからまた今度。失礼するね、ミラさん。
🏵え?ミラ?ミラハートネット??

 

 

 

⚛️テオ、2つの方法思い当たる?
🌟んー、翼生やして飛ぶか、転移魔法陣描いて行くか…かなぁ。
⚛️転移魔法陣は2つの魔法陣が繋がってないと意味ないよね?
🌟だな。
⚛️えーじゃあ両方共今すぐは無理じゃん。
🌟時間かければ可能なのか?

⚛️不可能はないでしょ。

🌟ふっ。期待してまーす。

 

⚔️お。アカデミー来たのか。どうだった?

⚛️違う感じだった。

⚔️ははっ。違うかぁー!そんなお前にいい話を持ってきたぜ?

⚛️なに?

⚔️アカデミーみたいなところは他にもある。

⚛️え!?なんで隠してたの?

⚔️隠してたわけじゃないんだが、ここから離れたところにあるからな。

⚛️どこにあるの?

⚔️遊間だ。

 

 

 

テアトルム03-3

⚛️勢いで出て来ちゃった。
🌟出られてよかったな。
⚛️ん。
🌟その頑固はどうにもならないのか?
⚛️…ならないかなぁ。
🌟じゃあもっとその性格とうまく付き合っていきなよね。
⚛️…うん。
🌟…住む場所なんだけどさ。
⚛️うん?今日はとりあえずホテルかなと思ってる。
🌟ホテル?金あるの?

⚛️そーだ…ないんだった。

 

⚔️いたいた。ミラくん?
⚛️あ、オーナさん。
⚔️今独り言喋ってなかった?
⚛️いえ?
⚔️そうか。
⚛️オーナさんて精霊見える?
⚔️んー、見える時と見えない時があるな。認識できた精霊はいつでも見えるんだろうなと思ってる。
⚛️んん?
⚔️名前知ってるとか、顔を覚えたとか、知り合いになった精霊は見えるけど、その他は見えないって事。
⚛️へー。
⚔️ミラくんは見えるの?
⚛️…あなたと同じです。
⚔️ふーん。精霊は力の使い方を教えてくれるから助かってるんだよね。
⚛️戦闘の技術も?
⚔️いや、言い方悪かったね。マナの使い方だよ。魔導は精霊から教わる、なんて事も言うみたいだしね。君も精霊に魔導を教わってるんでしょ?
⚛️そうですね。
⚔️良かったら今度俺にも紹介してね。
⚛️本人が良いと思ったら勝手に出てくると思いますよ。
⚔️だろうね。精霊は警戒心強いからなぁ〜。
⚛️私、アカデミーには入りません。
⚔️あぁ。さっきは勝手にアカデミー入りたいみたいなんていってごめんねー。孤児院出るのが目的だったなら理由は何でもいいかなと思って。
⚛️まぁ、出れたので問題ないです。ありがとうございました。
⚔️これからどうすんの?
⚛️オーナさんは魔導師の知り合いいますか?
⚔️あぁ、アカデミー専属の魔導師がいるよ。
⚛️その人と話しがしたいです!
⚔️ん、アポとったらいいよ。1000人待ちだけどね。
⚛️せ!?
⚔️勇者御一行の一人だからねー。
⚛️あー…そうでしたか。
⚔️アカデミー生ならもっと楽に会えるけどね。
⚛️…、院長の言う通りで、私は組織に所属出来ないです。
⚔️なんで?
⚛️チームプレー無理だし、一人で行動する方が好きだから。
⚔️はははw早死にするな。
⚛️む。
⚔️いいんじゃない?選択するのは君なんだ。早死にしたいならそう言う考えでいなよ。
⚛️1日で精霊魔導をコントロールしました。他のことだって同じように
⚔️そんな甘いもんじゃないよ?ちょっと外に出ただけで危険地帯だからね。ある者は片目を失い、ある者は片腕を失い、ある者は体半分が麻痺して動かなくなった。これはまだ優しい方。精神を侵されて妖魔化して家族を殺したり、操り人形みたいに大切な人を殺させられ続ける奴もいる。人類は奴隷の対象でもあるしね。
⚛️…、
⚔️魔導が扱えるからって恐れて何もしてこないなんてことないんだよ。相手は常に理解の範疇を超えてくる。そう言うやつらへの対処は、経験とそこからくる直感だ。
⚛️…。
⚔️まぁまずそんな経験は出来ない。目の前にした瞬間に死ぬからねっ。
⚛️うん、それはそれ、死んだらそれが私の人生だったと言うことです。
⚔️ん?ふふふ、結構脅したんだけどな。
⚛️頑固だから。
⚔️きみ?
⚛️はい。
⚔️ふふ、やっぱり早死にしそうだ。これ、俺の紋章が入ったピンを渡しておく。俺はアカデミーにだいたい居る。これを見せて入っておいで。
⚛️…じゃあ、貰っておく。ありがとう。
⚔️今夜は?
⚛️ホテルに泊まる。
⚔️ホテルゥ?お金あるの?
⚛️…。

⚔️良かったらうちくるか?

⚛️え。

⚔️引かない引かない。

⚛️こ、

⚔️ん?

⚛️今夜だけ…お願いします。

 


⚛️なんか虚しい。
🌟これから金貯めればいいだろ。

⚛️んー。
🌟普通知り合ったばっかのやつに紋章渡さないよな。
⚛️え、これ?これなに?
🌟しらねーのか。持ち主オリジナルの紋章が入ったピンで、持ち主の弟子って意味がある。
⚛️弟子!?
🌟まぁ身内だよってのを表すような物かな。マナも含まれてるから虫除けになるんだ。
⚛️えー。そんなの渡されたらご恩返さないとじゃん。
🌟お前そんな事考えて生きてんのか。めんどくさいやつだな。
⚛️そうだよ。
🌟…友達少ないだろ。
⚛️外面は良かったから普通にいたかな。
🌟どうだか。
⚛️いいんだよそれは。清算したんだから。これからはテオとまた作っていくから。
🌟俺にも都合ってもんがあるんだけど?
⚛️それは相談ください。わがままだけ言う私じゃなんだから!
🌟そーかよ。

テアトルム03-2

👩🏻‍🏫ミラは16歳。14歳で出ようと思えば退院することも出来たのに、何故しなかったの?
⚛️理由が無かった。自信もなかったし。
👩🏻‍🏫では、今は理由があるのですね?
⚛️ある。
👩🏻‍🏫教えてください。
⚛️教えられない。
👩🏻‍🏫…何故?
⚛️それも、教えられない。
👩🏻‍🏫…退院の決心がついたのはいつですか?
⚛️…藍領の旅行から帰ってから、少し考えてて…決めたのは昨日。
👩🏻‍🏫アカデミーの存在を知った事に関係がありますか?
⚛️アカデミーの事は前から知ってたよ。
👩🏻‍🏫ではアカデミーの方に関係が?
⚛️…違う。院長、尋問みたいに感じるんだけど。
👩🏻‍🏫そう感じるならそうなのでしょうね。
⚛️む…、院長が許可してくれなくても私は出て行きます。今までお世話になったから、きちんと感謝を伝えに来ました。
👩🏻‍🏫そうね、あなたは頑固だからね。
⚛️…ありがとうございました。院長の事、一生忘れません。
👩🏻‍🏫…。
⚛️…っ、さよなら。

 


⚔️まてまて。
👩🏻‍🏫オーナさん?
⚔️君ね、勝手に動かれたら困るんだけど。
⚛️…本当に来ると思わなかったから。
👩🏻‍🏫オーナさん。ミラが理由を言わずに退院を願い出て来ました。ご説明、頂けますか?
⚔️なんだ、理由言ってないのか?
⚛️…。
⚔️あー、つまりアカデミーに入学したいそうです。
👩🏻‍🏫アカデミーに?
⚔️実は昨日、こちらを出てから妖魔を相手にしまして、その時にこの子が危険な目に遭いました。
👩🏻‍🏫なんですって!?ミラ、何故言わないの!?
⚛️…、、
⚔️そこで自分の非力さに嘆いていましたよ。院長や友達に要らぬ心配もさせたくない、とも言ってました。
👩🏻‍🏫怪我は、していないのですね?
⚛️…してない。
👩🏻‍🏫要らぬ心配?それはあなたが決める事ではありません。私はあなたの母親同然。心配するなという方が難しい。今の様に危険な事があったと人から聞くのはとても悲しいことです。あなたがいなくなってからではこの気持ちを伝える事もあなたの気持ちを聞くことも出来ない。
⚛️…。
👩🏻‍🏫ミラ、あなたは王国騎士になりたいのですか?
⚛️違う。
👩🏻‍🏫では妖魔と戦う必要も、非力を嘆く必要もありません。アカデミーに入学する動機は何です?あなたの性格上、組織に所属することを拒むと思いましたが?
⚛️…動機は言えない。
⚔️君は嘘がつけないんだな。誤魔化してしまえばもっと楽なのに。
👩🏻‍🏫そういう子です。まさかとは思いますが
⚔️違うからね?俺がたぶらかしたんじゃないですよ?
👩🏻‍🏫そうですか。
⚛️ここに、いたくなくなったから。
👩🏻‍🏫ミラ?
⚛️理由は、この孤児院にいたくなくなったから。
👩🏻‍🏫……ミラ。いい加減にしないと怒りますよ?
⚛️本心だよ。
👩🏻‍🏫分かりました。好きになさい。あなたが理由を言わない限り、私は今後一切の補助を行いません。孤児院の者と接触する事も禁じます。
⚛️好都合だよ。荷物をまとめたらすぐに出ます。
👩🏻‍🏫何を言っているのですか?
⚛️へ?
👩🏻‍🏫まとめる荷物なんて無いでしょう。今まで与えていたものは全てここの備品です。あなたの所有物などありません。
⚛️…そうですか!では、お世話になりました!二度と顔を出さないから安心してくださいよ!さよならっ!!

 

バタンッ!!!!!

 

👩🏻‍🏫……、
⚔️あいつが理由を言わないのなら、俺からも言えません。
👩🏻‍🏫…っ。
⚔️院長、ミラは…頑固で真っ直ぐな、優しい子ですね。
👩🏻‍🏫うぅ…、あの子をよろしくお願いします。
⚔️はい。

テアトルム03-1

⚛️はぁ…疲れたぁ〜
🔵お、ミラおかえり〜。
⚛️んー。…お客さん?
🔵そ、なんかこの辺に盗賊が出たんだって。家に入られたり怪我人が出たりしてるらしいぜ。
⚛️へー。うちの孤児院に入っても金目のものないから大丈夫だろ。
🔵だな。
🔴はぁ…
⚛️なんだミサ。
🔴あの人さぁ…アカデミーの人なんだって。妖魔との戦いの日々なんだってぇ〜。
⚛️アカデミーか。強いのかな。
🔴聴いてた?妖魔相手にしてんだから強いに決まってるじゃん!
⚛️そっか。
🔴あ、ちょっとどこいくのよ!

 

ヒュッ
パシッ、ダン!

 

⚛️いって!痛い痛い痛い!!
👩🏻‍🏫ミラ!?
⚔️どういうつもりかな?
⚛️強いって聞いたから、どんな動きなのかと思ったんだよ!離してぇえええ!
⚔️院長さんにお話ししてたところなんだけど、そういう好奇心で盗賊に近づかない様に注意してねミラくん?
⚛️子どもの可愛い悪戯だってば!そんな怒る事ないだろぉ!!
⚔️ま、元気な事はいい事だね。
👩🏻‍🏫大変申し訳ありません!きちんと話しますので。
⚔️はは、子どもが元気なのはこちらが良い環境な証拠ですね。院長先生は立派に運営なさっているて、素晴らしいです。
👩🏻‍🏫いえ、そんな…ありがとうごさいます。あの、どうか子ども達の安全をお護りください。
⚔️はい。お任せください。

 


アカデミーの人退室

 


👩🏻‍🏫ミラ、ちょっと院長室へいらっしゃい。
🔵ミラもういないよ?
👩🏻‍🏫な、なんですって!?

 

 

コソ…

 

🗡オーナさん。
⚔️あぁ。…出ておいで。まだ殴り足りなかったかな?
⚛️ち、違いますよ。さっきのはホントちょっとしたやつで…ご、ごめんなさい。
🗡なんだ謝れるんだね。
⚛️む。
⚔️こら、カイラ。それで、何か用があってきたんでしょ?
⚛️あの、アカデミーてどんな事をしてるの?戦うのが強くなる?
⚔️カイラ。
🗡はい。アカデミーとは、ヒト族の安全を第一に考え、王国の繁栄の為に妖魔と戦う者達のための育成システムです。今では近隣の安全を守る警務組織としても各地で動いています。
⚛️私は、自分や周りを護れるくらい強くなりたいんだけど、出来る様になる?
⚔️それはミラくん次第じゃないかな?
⚛️…ねぇオーナさん、私に

 

きゃーーーーー!!

 

🗡なんだ!?
⚔️血の匂いだ。
🗡オーナさん!

 

げひゃひゃひゃ!!

 

⚛️盗賊じゃない!?
🗡お前なんでついてきてんだ!
⚔️あれは妖魔だな。
🗡危ないから離れてろ!

 

キン!ガッ、ドーン


妖魔とやり合うアカデミーの2人

 

妖魔の攻撃が建物を崩す、逃げ遅れた少女が瓦礫の真下に。

 

⚛️危ないっ!

 

ミラは水で少女を安全な場所へ移動させ、風で瓦礫を妖魔の所へ吹き飛ばした。

 

⚔️🗡魔導!?
⚛️大丈夫?
うぇーん!!
ササちゃん!!
ママァー!
ありがとうございます!!
⚛️早く遠くに逃げて。

 

 

🈲キミ、魔導師?
⚛️え?

 

ドッ

 

⚛️かっ

 

突然現れたローブを着た者に心臓を貫かれるミラ。

 

きゃーーーーーーーーー!!

⚔️ちっ、
カイラが刺さった赤い結晶を切り、オーナがローブの者へ斬りかかるが避けられてしまう。

🗡オーナさん!傷口がありません。
⚔️なに?
🗡さっき刺さった赤い結晶も消えました。
⚔️幻術か?
🗡いえ、そのような痕跡は無いです。
⚔️…お前のローブ、ナルガだね。この子のマナを吸ったな?
🈲ふふ。その子、マナをいっぱい持ってるね。普通なら死んじゃってる量を吸ったのに、まだ底が見えなかった…。
⚛️…ハァ、

 

突然ナルガの周りを囲むように地面から現れた土壁

 

パンッ

 

倒れたままのミラが手を叩くと同時に土壁が寄り合い、中の者を潰した。が、手応えはなかった。

 

⚛️ち、…
🗡お前、魔導を使えるのか
⚛️魔導しか使えない。相手の速さは見切れないし、攻撃を防げないし、かわせない。
⚔️人目が多い。場所を変えるよ。

 


⚛️さっきの赤い結晶…
⚔️あれはナルガ特有のマナ吸収能力だ。体に突き刺したり触れたりするとマナを取られるらしい。お前も吸われたのか?
⚛️吸われた。
🗡底が見えなかったと言ってましたね。
⚛️何のことかわからない。
🗡ていうか、この子が魔導師だって院長は知ってるんすかね。
⚛️孤児院の人達には言ってない…ていうより、今日初めて人前で魔導使った。
⚔️生まれつき使えたの?
⚛️いや、藍領の泉に落ちてから使えるようになった。
⚔️それを隠しながら修練してたと、
⚛️うん。
⚔️…はぁ、キミね、そういうのは周りに相談するもんだよ?
⚛️相談したら…巻き込んでしまう。危険だ。
⚔️🗡…。
⚛️だからっ、私は孤児院を出る。あの人達は身を守る術がない、私にはあの人達を守る術がない!正直いうと強いあなたに里親になってもらって何事もない感じで孤児院を出たかったんだけど、そんな都合よく出来ないのも分かってて…どうしたらいいか教えて!
🗡…オーナさん、ダメですからね。
⚔️んー、
🗡ダメですからね?
⚔️よし、俺が引き取ろうか。
⚛️ホント?
🗡ダメって言ったじゃないですか!!
⚔️ま、ミラくんの言ってる事は正しいし、このままこの子を放っといても危険だからね。俺が里親兼監視役って事で。
⚛️…!!
🗡僕はこの子をまだ信用できません。妖魔やノウムの手先だったらどうするんですか。
⚔️その時は俺が殺そう。
⚛️!?
⚔️違うだろ?
⚛️違う!
⚔️なら良いじゃないか。な、カイラ。
🗡はぁ、僕は知りません。

⚔️院長さんに言えば良いのか?
⚛️うん!
⚔️じゃあ日を改めて伺う事にするよ。今日はもう遅い。
⚛️!?そう言って逃げるんじゃないのか!
⚔️逃げない逃げない。今日は俺もまだ仕事が残ってるんだ。また明日な。
⚛️明日、明日だからね!
⚔️分かった分かった。